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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/15号
2008/7/3更新
ウェグマンズ、全米パブリックリンクスで優勝
プロもアマも韓流ニューフェースが席巻

 宮里藍が6位タイとなった先のウェグマンズLPGAトーナメント。初日にトップタイでスタートしたことから、日本での報道は宮里に終始していた。しかし、同じ週、女子ゴルフ界の最大の話題は、またまた韓国系新世代ともいえる若手の躍進だった。ウェグマンズで韓国選手が優勝したのに続き、全米アマに続くアマの祭典、女子パブリックリンクス選手権でも韓国の選手が優勝を飾ったのだ。


またまた強い“韓流スター”登場。 日本勢の強敵になる?(写真、ジ・ユンヒ)

「まるで空を飛んでいるような最高の気分」と語ったのは、ウェグマンズで初優勝したジー・ユンヒ(22歳)。全く無名のようだが、「昨年スーザン・ペターセンに敗れただけに、今回彼女を破って優勝できたことで、自信がついた」と語るように、昨年はルーキーとして米ツアーには4試合しか出場していなかったにもかかわらず、コロン選手権で2位、全英リコー女子オープンで5位タイと好成績をあげている。

 そして今年、南アで開かれた女子ワールドカップでは、シン・ジエと組んで2位に入っている。「この勝利は大きな転換点になりそう」と後半戦に向けて、注目すべきプレーヤーが登場したというわけだ。

 時を同じくしてアマチュアの全米パブリックリンクスが開催されていたが、こちらのほうで優勝したのが、ジとおなじ1986年生まれの韓国系アメリカ人、ティファニー・ジョー(21歳)だ。

 ジョーはこれで、06年に次いでパブリックリンクス2勝目。韓国系では88年、89年を制したパール・シンに次いで、同試合で2勝を挙げることになった。 

 ジョーと言えば、4年前の豪レディスマスターズでアルバトロスを含めた63というスコアを叩き出したことでも知られ、06年の同じ試合では最終ホールのショートパットを外して、プレーオフに残れず、当時16歳の韓国出身のエーミー・ヤンに優勝をさらわれた。

 ついでにいえばウェグマンズでは、ミッシェル・ウィ(18歳)が、トータル4アンダーの24位タイとなり、アメリカでも久々のアンダーパーでラウンドした。そしてウィが復調の兆しをつかんだ6月のドイツ女子オープンで優勝を果たしているのがウィと同じ18歳のエーミー・ヤンだった。

 さてパブリックリンクスだが、優勝したティファニー・ジョーが、決勝で破ったのが、昨年の全米女子オープンでローアマとなった韓国生まれのジェニファー・ソン(18歳)だった。

「私はもともと声が大きくおしゃべりなタイプだけれど、自分の態度が、相手の集中力を乱すこともあると、これまでの経験から学んだ。だから、ソンのように、真剣にプレーしているタイプとは、ちょっと距離を置いてプレーした。いい雰囲気で試合をしたいですからね」と優勝インタビューでも、ジョーは余裕の発言をしている。

 なにやら韓国勢ばかりがアメリカを席巻しているような気配だが、このパブリックリンクスの大会自体も、アジア系女子ゴルファーの登竜門的な試合になりつつある。

 01年にキャンディ・クンが栄冠をものにしたと思ったら、03年にはミッシェル・ウィ、04年には今年の全米女子プロを制したヤニ・ツェン。05年にはリー・ウンユン、06年にはティファニー・ジョー、07年には日系のハリガエ・ミナが、この試合を制しているのだ。

 今回の試合にしても、日系のステファニー・コウノが、準決勝まで残り、韓国のソンに破れている。多くのトッププロを輩出している試合だけに、ここで2勝目を挙げたジョーに期待がかかるのも当然といえるだろう。

 日本では、アニカ・ソレンスタムやロレーナ・オチョア、あるいはポーラ・クリーマーばかりが注目されるが、アメリカでは若手の韓流スターが続々誕生している。日本人プレーヤーがなかなか勝てないのには、こんな予想外のライバル、伏兵がいることも一つの理由かも。

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