「このコースに高反発ドライバーを持ってきてはダメ」。今春、霞ヶ関CC(埼玉)でビジターとしてプレーした男性が、同伴キャディにそう注意を受けた。この男性は、その後適合クラブを買ったという。同クラブでは、クラブハウスやコース内売店には高反発ドライバーの使用を禁止する文書を掲示している、と言うが……。JGA規則の変更から約半年。現場の状況はどうなっているのだろうか。
関東でも霞ヶ関CCと並ぶ名門、東京ゴルフ倶楽部では、高反発規制が導入された今年1月の段階では「使用禁止」の告知を行っていたが、現在では貼り紙はしていないとのこと。
もちろん規則遵守は当然のこととしているが、それは競技会でのこと。プライベートで楽しむことについては、調べる事もしておらず本人に任せているという。
アコーディア・ゴルフでも、基本的にゲストに対しては、本人任せ。ゴルフ場として使用クラブの指導は一切ない。ただ、適合クラブを安く貸し出しているので、不都合が生じても対処できる。
一方、中古ショップでの動きはどうであろうか。
高反発時代の人気モデル、マックテックN.V2 iX400(03年モデル)やゼクシオ04年モデルはどうなっただろうか。
ゴルフドゥ新橋店では、「もはや人気機種といえども、需要はほとんどないといっていい。高反発ドライバーは練習用にビギナーがわずかに手を出すくらい。買い取りにしても、二束三文でしかないし、そのまま持っていて使ったほうがいいのでは」といった状況だ。
だが、GDOのネット販売では、次のような結果だ。「顧客の選択肢を広げることもあり新品・中古とも販売を続行中。人気モデルは今でも引き合いがあり、お買い得感があるためか若いビギナーには人気で、購入の際はルール説明も行う。意外にも、シニア層はルールを優先し適合を買う人のほうが多い」という。
大手はほとんど販売を終了したが、いまだに高反発ドライバーを販売しているカタナゴルフでは、「もともと顧客自体60歳を超えた人が多く、適合クラブだと飛距離が落ちるので高反発を求める人は少なくない。店頭では適合クラブが中心になっている。ただ、要望があれば対応している」と話す。
同じく高反発を販売するエナでは、ターゲットがシニアと女性のため、昨年より落ちてはいるものの売り上げは全体の20パーセントという。同社総務部長の竹内一氏はこう分析している。
「潜在的な需要はまだまだある。シニアも女性も飛ばしたいと思う人は少なくないので、今は様子見。ゴルフ場などの情報や市場動向を見ると、まだまだ高反発の需要は可能性がある」
ショップレベルでは温度差があるが、高反発の需要は、未だ衰えていないようにも見える。
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