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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/5号
2008/7/24更新
「高反発」以外の部分で次々発覚
プロギア、SRIでもルール抵触の疑い!?

 R&A(英国ゴルフ協会)のルール違反用品問題が浮上、またもや高反発ドライバーかと思いきや、意外にもプロギアのユーティリティ「ズームX」だった。プロギアは7月9日から販売を停止。また7月16日には、SRIスポーツでもスリクソンの「ポジションゼロ・ゴルファーズサポーター」が競技で使えない可能性があるとして、販売を停止した。


ソールの球体が“疑惑”に問われた、ズームX

「ズームX」が販売を始めたのは今年の2月23日だが、R&Aの08改定ルール英語版が出たのが1月。日本語版は2月に出ており、クラブヘッドについて「単純な形状であること」と規定しており、「他の物体を想像できるデザインにしてはいけない」と追記している。

 ボールを思わせるデザインがこの追記に抵触する恐れがあることに遅まきながら気が付いたプロギアは事態が紛糾する前に、R&Aに審議申請し、交渉を始めた。

 5月20日、責任者がR&Aに出向き協議したが、この時は結論が出るまで至らなかった。そして、6月3日、今度はR&A側が来日。ルールに触れる可能性があるとされ、現在確認作業を進めているが、結論は早くても秋口という。

 販売の一時中止に踏み切った理由として、同社スポーツ事業部の広報リーダーの石川智一氏はこう強調する。

「もしルール不適合となれば、信用を失いかねないので、早い対応を心掛けました」

「ズームX」は市場に6月末までで約1万本出回り、そのうち5000~6000本が販売されたという。

 現在自主回収を行っており、準備が整い次第すでに購入した人には、新デザインのタングステンウェートと交換し、8月下旬から新デザインの機種の販売を再開する予定だ。

 クラブデザイナーの竹林隆光氏は次のように話す。

「うっかりしたとしか言いようがないですね。08年の変更は機能面での改定が主な狙いですから、デザインという、言わば全然違うところで引っかかったようなものですね」

 ただプロギアの場合、ルール改定部分の確認と審査手続きを怠っていたことから、デザインが問題になったことは対応の甘さと迂闊さがあったと言えよう

 期を同じくしてSRIスポーツでも4月に発売された手首やひざなどの「サポーター」の販売を停止した。これは、テーピング部分がプレーの援助の違反になる恐れがあり、これがルールに触れるとして論議を巻き起こすことを避けたためという。

 クラブアナリストでクラブメーカーの開発などを行う吉村忠義氏は、こう分析する。「R&Aは規則などをコロコロ変える。用具について訳のわからん構造のものはダメで、単純なものがいいとする傾向がある。ここにゴルフ文化の大きな違いがある」

 ルール抵触や違反というと、高反発フェースが問題となることが多かったが、この2つの“疑い”はいずれも高反発とは別物。

 それだけにメーカーにとってはスキをつかれた格好だ。両社ともコトが大事になる前に、自主的に公表したように、まだ違反かどうかシロクロはついていない。

 だが、どちらにしてもユーザー側は交換可能とはいえ、面倒なことこの上ない。メーカー側のしっかりしたチェックが望まれる。

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