オリンピックイヤーにはゴルフクラブが売れない。そんなジンクスを吹き飛ばすべく、各社が打ち出したのはゴールドメダルならぬゴールドクラブだ。昨年までは、鏡のような光沢を放つミラー仕上げのクラブが大流行したが、最近になって“色物”が目立ってきた。アスリートイメージの強いブラック仕上げが発売されたかと思いきや、今度はプレミアム感の高いゴールド仕上げが増えている。
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国内外限定1000本としたエスヤード・プレミアムエディション(上)、
クラウン部分にも金色のマークが。ケンタックドライバー
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今年の春にモデルチェンジした『グランドモナーク・ロイヤルクレスタ』(ミズノ)は、鍛流チタンや30グラム台の超軽量4軸シャフトなど最新の技術を投入したほか、レクサスなど高級車の塗装にも使われているイオンプレーティング加工を採用するなど「飛びにも仕上げにもこだわり抜いた」(ミズノ広報宣伝課・西田維作氏)プレミアムモデルだ。
既存のモデルをイオンプレーティング加工によってグレードアップしたクラブも登場した。ロイヤルコレクションの『RC★fdゴールド』ドライバーとフェアウェイウッドは、『RC★fd』をベースにタメを作りやすいシャフトを採用したシニア向けモデル。
性能には満足しても『RC★fd』の明るいブルーに抵抗を覚えるシニアゴルファーが多かったことから、ヘッド、シャフトともに専用色のゴールドを採用した。
また、セイコースポーツライフは、最高級モデル『アクロクラス』に続いて「エスヤード」発売15周年記念モデル『エスヤードTX-V HDプレミアムエディション』を9月に発売する。
ヘッドは『アクロクラス』と同じゴールドイオンプレーティング仕上げ、シャフトにはシャンパンゴールドオンプレーティング仕上げを採用。
これら2モデルは、ベースモデルに対してそれぞれ1万8900円(『RC★fdゴールド』ドライバー)、6万5100円(『エスヤードTX-V HDプレミアムエディション』)高い価格設定。
シャフトは専用設計だが、基本的には同一のヘッドだけに、見栄えにどれだけの付加価値を見出せるかということになるが、その点では国内市場よりも、バブルで年収1000万円以上の人口が1億人といわれる中国を筆頭に、以前から日本製高級クラブの人気が高い韓国などアジア市場の方が有望かもしれない。
実際、『RC★fdゴールド』は韓国と中国それぞれで日本の2倍売れているという。
カラーだけでなく本物の金を使ったクラブもある。かつて「ヒロホンマ」で一世風靡した本間裕朗氏が設計した『ケンタック』ドライバーがそれ。
最大の特徴であるクラウンマークにK23を採用しているほか、1本52万5000円のプレミアムモデルは、ソールのウェートとして合計7グラムのK18(スタンダードモデルはK24メッキ)を使用している。
『ケンタック』も中国、米国、インドなどで先行発売され、日本国内では9月頃に発売される予定だ。このほか、『スナイパー』(カタナゴルフ)にも海外専用モデルとしてK24モデルが用意されている。
風水の世界では今年のラッキーカラーは「ゴールド」と言われているが、本場中国を中心に「ゴールド」がクラブメーカーに幸運を運んでくれるのだろうか。
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