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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/12号
2008/7/31更新
“プロ解雇問題”を尻目に新レッスン
を立ち上げた太平洋クラブの目論見

 突然の解雇通告に驚いたと言うのは、本誌ゴルフジムでおなじみの今週号の特集にも登場の久古千昭プロ。所属する太平洋クラブ成田コースから5月2日、何の前触れもなく「4月30日で契約終了」と言い渡されたという。雇い主の太平洋クラブは、「トーナメントプレーヤーはもういらない」と言ったとも。この“解雇劇”の陰に見え隠れする同クラブの練習場ビジネスと長期的経営戦略を探った

 きちんとした手順を踏まないクラブに対して怒りを隠さない久古プロだが、太平洋クラブ側では、「契約についてきちんと連絡もしている。また、解雇ではなく契約終了であり更新のためのアクションもなかったとして、『解雇と言われるのは不本意』」と話す。

 だが、久古プロはこう憤る。「クラブ側からは何の打診もなかったため、当然更新されると考えていた。契約終了になるにしても労働基準法に照らせば、きちんと事前通告はあって然るべき」

 両者の言い分はまったく噛み合わないが、こういった事態になったその裏には何があったのだろうか。

 同クラブでは、7月22日から東京・有楽町でスクールを開校した。現在、スクールは全部で9校あり、そのうちインドアは7校ある。各校とも約300人のスクール生を抱えているが、練習場ビジネスを展開していく上で、利益率の高いインドア校に比重を移していくことは当然予想される。

「インドア校にはティーチングプロがいればいい。太平洋クラブでは、トーナメントプロはもう必要ない」

 久古プロは同クラブの最高幹部の一人からそう言われたことを明かす。同クラブに問い合わせるとこの発言については真っ向から否定する。

 昨年10月に同クラブを辞した横島由一プロは、支配人を務めたこともありプロの契約とはシビアなものと断った上で、「自分の都合で辞めたのだが、売り上げを出すことが目的の会社になっている」とゴルフ場会社にもかかわらず、メンバーに重きを置かない矛盾した経営姿勢を指摘する。ただ久古プロの立場を理解しながらも「契約には情の入る余地はない」とも言う。

 同じく昨年2月に退職した山田満由美プロはこう話す。「トーナメントプロを起用したものの、経営陣が変わり、プロを大事にしていく姿勢がなくなってしまった」

 同クラブでは8月19日から、那須国際CC(栃木)内に実践型の総合練習施設「トライフィールド」の営業を開始する。これは東急不動産との「事業提携の一環」で練習場ビジネスがいよいよ本格化してきたといっていい。

 長期的に見ると再編まで行き着くことも考えられるので、所属プロの“解雇問題”は、その予兆なのかもしれない。

 同プロは何らかの対抗措置を考えているだけに、ゴルファーに人気のある同クラブにしてみれば、対応を誤ると禍根を残すことになるかもしれない。すんなりとした決着を願うばかりだ。

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