米男子ツアー対女子ツアー。上田桃子や宮里藍などの参戦で、日本では米LPGAの人気は高いようにも思われるが、アメリカでは男女ツアーの差は歴然で、男子ツアーの圧勝という印象が強い。その好例が、先のリノ・タホオープンに出場したミッシェル・ウィといえるかもしれない。米ツアー男女の注目度を比較してみた。
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男子ツアー出場に執念を見せるM・ウィ(右)と意欲を見せるL・オチョア
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スポンサーの招待枠で出場したことに男子ツアーのメンバーから批判されたばかりでなく、「メジャーに出られるのに、なぜ男子ツアーに出場するのか、理由がわからない」とアニカ・ソレンスタムなど、LPGAの選手たちからも酷評されている。
うがった見方をすると、調子を取り戻し始めたとはいえ、まだLPGAでは1勝もしていないウィにとっては、ある意味では自己アピールが必要で、ソレンスタムもできなかった男子ツアーの予選通過の栄誉のほうが、女子のメジャーに参戦するより大きかったといえるのかもしれない。
リノ・タホオープンは、WGCシリーズ、ブリヂストン招待の裏試合で、同じ週に女子では全英女子オープンが開催されていた。つまり、男子の裏試合の方が、女子のメジャーより、ウィにとっては重要だと判断したというわけだ。
実際、賞金総額がトーナメントの注目度を物語っているが、WGCの賞金総額が800万ドルに対してリノ・タホは300万ドルで、全英女子オープンは総額が210万ドル。数字だけで見れば、どの試合が注目されているかが一目でわかる。
それでも、全英女子オープンは、初日、2日目はケーブル局だが、週末は3大ネットワークの一つABCがテレビ中継している。全米女子プロを含めて、女子のトーナメントのほとんどがゴルフチャンネルなどのケーブル局で放映されていることを考えれば、全英女子の注目度は高いはずなのだ。
にもかかわらず、ウィが男子の裏試合を選んだということは、それほど男子ツアーと女子ツアーの人気に差があるということだ。
そういえば、かつては男子ツアーには興味がないと語っていたロレーナ・オチョアも、先の7月に「(男子ツアーに)出ないとは言わない」と男子ツアーへの参戦をほのめかしている。
やはり、アメリカのゴルフ界にしっかり名前を刻むのには、男子ツアーへの参戦が不可欠なのかもしれない。
今季LPGAでは21試合を消化して、アメリカ人が勝っているのは、ポーラ・クリーマーの3勝を含めた4勝だけ。あるいは、LPGAにファンの目が向かないのには、こんな理由があるのかも。
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