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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 8/19・26号
2008/8/7更新
秋の新製品ドライバーどっちが買いだ?
スリクソン vs テーラーのブランド戦略

 7月中旬、ゴルフ用品業界では、早くも2009年商戦の火蓋が切って落とされた。この秋に発売する09年の主力モデルを相次いで発表したのは、日米それぞれを代表する最大手メーカー、SRIスポーツとテーラーメイドだ。トップ同士の戦いやいかに。


プロに人気のZR-800(左)、やさしさ志向のバーナー・プラス

 SRIスポーツは、アスリート向けブランド「スリクソンZR」シリーズのイヤーモデル『スリクソンZR-800』のほか、よりコンパクトなヘッドでシャープに構えられる『同ZR-30』がドライバーとアイアンのラインナップに追加された。

 また、男子ツアーでのプロモーション活動も異例に早くスタートしていた。4月の開幕戦「東建ホームメイトカップ」では契約選手に、黒くマスキングされたプロトタイプを支給。6月の「三菱ダイヤモンドカップ」からは、マスキングを外した市販モデルをほとんどの選手が使用している。

 このほか、同モデルには特注シャフトとして、まだ市販もされていない『ランバックスF』(フジクラ)がいち早く採用されるなど、選択の幅を拡げること、プロの使用率をアピールすることで、クラブに対するこだわりがもっとも強い競技ゴルファー層の支持を得たい考えだ。

 一方、テーラーメイドは、アベレージゴルファー向けの人気モデル「バーナー」に追加するかたちでよりやさしさを追求した『バーナー・プラス』、『バーナー・レスキュー』のほか、同シリーズを女性向けに設計した「ウィメンズシリーズ」や、ビギナー向け、さらにはジュニア向けモデルなどをこの秋から投入、ラインナップをさらに拡充する。

 同社はこれまで、ツアーでの高い使用率を背景にアスリートイメージを強く打ち出してきたが、ジュニアからトップアスリートまであらゆるゴルファーにターゲットを拡げる新戦略は国内メーカーにとっては相当な脅威となりそうだ。

「すべてのゴルファーのニーズに応えたい。ジュニアや女性、エントリーユーザー向けの商品開発と同時に、ジュニアや女性向けイベントなどソフトサービスも充実させて、新規ゴルファー開拓を担っていきたいと考えています」(テーラーメイドゴルフ・喜田眞氏)

 また、同社は販売面でも国内メーカーとは異なるアプローチを行っている。今年は、4月に六本木ヒルズに直営の旗艦店を立ち上げたほか、入間、軽井沢に続き、この7月17日には那須塩原に全国15番目のアウトレットショップをオープンさせた。

 一部のアンテナショップを除けば、販売店の手前、国内メーカーにとっては手を出しにくい分野だが、同社では、

「ブランド情報を100パーセント発信したり、直営店ならではのカスタマーサービスを行ったりできるのが強み。小売店と協調し、サービスを補完し合うようにしたい」(喜田氏)と積極的な姿勢を示す。

 サブプライムローン破綻の影響を受けるなど、世界最大の米国内市場が縮小するなか、2番目に大きな日本市場や成長株のアジア市場でのシェア拡大は、テーラーメイドなど米巨大メーカーにとって急務。

 かといって国内メーカーも指を加えて眺めているわけにはいかない。ブリヂストンスポーツも他社の動きを睨みながら『ツアーステージXシリーズ』のプロモーションを大幅に前倒しでスタートさせており、来年にかけて、日米メーカーのメンツをかけた戦いはますます熾烈を極めそうだ。

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