日本で最も多くゴルフ場を所有(運営受託を含む)するのが、2大外資のアコーディア・ゴルフ134コースとPGM127コース。数では遠く及ばないものの、それに負けじと頑張る国内企業1位と2位の「オリックス」と「東急不動産」。2大外資を向こうに回しての両社が目指すもの、共通点と違いを探った。
オリックスが所有するゴルフ場数は34コースと1練習場。内容はというと「高級志向」「競技志向」「カジュアル志向」の3つのタイプに分けられる。相対的に各高速道路のインターチェンジ近くにあり、都心からも遠くなく交通至便といっていい。
平成4年に千葉県の「きみさらずGL」を競売で入手していく過程で、“自己競落”という最先端をいく手法を用いたことに、その剛腕振りが窺える。
新興勢力だけに、今後も拡大段階で、荒ワザも必要になる局面もあろう。2大外資が若者から高齢者、男女とも気楽に楽しめるカジュアル路線を築いたが、それに対しても理解を示す同社では、目標を次のように設定している。
「今年中に40コース保有を一つの目安にしているが、ただ単に増やすというよりは質の向上に全力を注ぎたい」と拡大志向を進めつつもダイナミックな経営を模索しているのだ。
東急不動産が保有するゴルフ場数は、24コース(運営受託を含む)。基本的には会員制ゴルフ場として運営されており、それぞれが個性のあるコースで大人として落ち着いてプレーができる環境を重視しているという。
同社では「トーナメント開催など派手なイメージはないが、利用者には満足度が高いコースが多い」という。
政権奪取を目指す民主党の小沢一郎代表も持つ会員権は、「勝浦東急GC」「蓼科東急GC」「望月東急GC」「季美の森GC」で、リゾートコースが多く相場は安定している。
同社ではカジュアルな部分には否定的な見解をも示す。老舗企業ならではの鷹揚さもあり、オリックスと比較すると剛腕のイメージはない。
とはいえ、拡大策としては太平洋クラブとの“提携”といった深謀遠慮が見え隠れする。太平洋の18コースと合わせると40コースを超える。提携については、「ブランド力の向上を重点にし、ゴルフ人口が減少するなかで選ばれるコースとしての地位を確立したい」と強調する。
桜ゴルフの佐川八重子社長は、「東急は積極性のある会社。オリックスは今後会員に対してどのように運営していくのか確認してみたい」と話す。
何を目指すか不透明な部分もある2社だが、2大外資も安閑としていられない勢いを持っているのは確かなようだ。
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