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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 9/2号
2008/8/21更新
レジャー白書ではゴルフ低迷の動き
だが“異常に”少ない数字の不思議

 『レジャー白書2008』が先月末、(財)社会経済生産性本部から発行された。同白書は、国民の余暇意識や余暇活動の参加実態を示す全国調査。だが、今年のゴルフに関する数字には首をかしげる関係者が多い。いったい今回の同白書のどこに疑問が……。

『レジャー白書2008』は、全国5万人以上の都市に住む15歳以上の男女3000人を無作為にサンプル対象に選び、今年1月に直接本人を訪ねて、アンケート用紙に記入してもらう方式で得たデータをまとめたもの。

 それによると、昨年のゴルフ人口(昨年1年間に1回以上コースでプレーした人口)は830万人で、前年に比べて60万人、率にして6.7パーセントも減ってしまった。830万人という数字は、同調査開始以来最低。

 また、その結果、コース参加率も7.5パーセント(昨年は8.1パーセント)にまで低下。2年前までは9パーセント台後半で、「国民の10人に1人がゴルファー」といっていたのが、それも怪しいことになる。

 同じくゴルフ練習場についても、プレー人口は70万人減(8.0パーセント減)の810万人で、これも過去最少の数字となった。

 だが、その一方で、年間プレー回数は、コースで15.0回(前年は10.8回)、練習場で25.3回(同19.0回)とともに大幅増。

 また、プレーに要した年間費用は、コースでは18万2900円(1回当たり、1万2190円)で、前年12万2600円(同1万1350円)より6万円以上も伸びている。

 同じく、練習場で使った年間費用は4万3200円(1回当たり、1710円)で、前年の3万5100円(同、1850円)と比べると、1回当たりの費用は減っているが、年間では平均8000円以上も多く使ったことになる。

 これらのデータからゴルフは、プレー人口は減らしたものの、プレーの回数と費用は大幅増。つまり、「ゴルフ好きがよりプレーするようになった」という実態が推測される。

 同白書は、その背景に「個人消費の冷え込みや時間的ゆとりの喪失も影響している」と分析している。

 それにしても、問題はゴルフ人口だ。2年前の白書では1080万だったから、この2年間で250万人もがゴルフから離れたことになる。これに対してゴルフ産業界の横断的な団体であるゴルフ市場活性化委員会の山田照郷事務局長は、「正直、我々の実感とは大きく異なりますね」と、疑問を口にする。

 確かに、この2年は女子プロブームが続き、女性誌にゴルフが取り上げられ、そして「遼くんブーム」によるジュニアゴルファーの増加と、賑やかさを取り戻した時期。ゴルフ人口の大幅減はにわかに信じがたい。

 また、練習場人口についても「実感としては横ばいでしょうか。ベテランの利用が減った分、女性客や若い人が増えましたから」(関西ゴルフ練習場連盟 恒藤光夫理事長)と現場の声は白書と異なる。

「ゴルフについては白書の編集段階で疑問の声が上がり、ゴルフ業界の方に相談し、実情をお聞きした経緯があります。しかし、確かにゴルフ場の入場者数は好調のようでしたが、実際は一部のお好きな方に偏っているとの見解が示され、この数字になりました」(社会経済生産性本部)

 ことゴルフに関してはレジャー白書を作った本体のほうでも、ギャップがあったようなのだ。“するスポーツ”での市場規模トップに位置されるゴルフだけに、今後はどこか別の公的機関で、調査をしてみてはどうだろうか。

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