7月の米ツアー、USバンク・イン・ミルウォーキーで棄権して以後、試合を休んでいた丸山茂樹が、ANAオープンで戦線に復帰。次のパナソニックオープンにも参戦を表明している。果たして丸山は米ツアーを撤退して、日本ツアーに本格復帰するのか――。
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日本で心機一転、調子が良くなったら
また米ツアーに挑戦したい
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現在、米ツアーでの丸山茂樹の賞金獲得額は16万ドル余りで、ランキングは194位。125位以内の賞金ランキングによるシード確保には、ほど遠い位置にいる。
昨シーズンは、自身にとっての米ツアー最終戦となった10月のギン・シュールメールクラシックで、優勝争いの末に2位タイとなり、瀬戸際で賞金ランキングを137位から103位(最終的には105位)に上げて8年連続で賞金シードの座を守った。しかし、今年はだいぶ様子が違うようだ。
ANAオープンに出場し、今週開催のパナソニックオープンにもエントリーしている丸山は、今後のスケジュールについて、
「このまま日本ツアーに出続けるのか、それともすぐにPGAツアーに戻るのか、何試合か日本ツアーに出させてもらって、自分の自信を取り戻してから決めたいと思っています。言葉を濁すようで申し訳ないけれど、まだアメリカに戻るとか、戻らないとか、断言はできません」と、まったく未定で、丸山自身にも今後の出場試合選択には迷いがあるようだ。
迷いの大きな原因は、PGAツアー優勝者に与えられるツアーカードにある。
「優勝者には、いつでも使えるツアーカードをくれるということは、それだけPGAツアーの優勝には価値があるんだよ、というのを向こう(PGAツアー)は見せているんだと思います。それをポンと簡単には捨てられません」と丸山は言う。
賞金シードを失っても、スポンサーの推薦さえあれば、いつでも米ツアーに戻れるというのが、丸山の立場である。
また、昨年、日本ツアーでは「JGTOツアーメンバーでUSPGAツアーまたはヨーロピアンツアーのツアーメンバー資格取得者で3競技以上出場した者」という新たな出場カテゴリーを設け、今シーズンからそれを適用している。
昨年、VISA太平洋、ダンロップフェニックス、カシオワールドの3試合に出場した丸山は、その適用を受け、日本ツアーのシード権を維持している。
それだけに、単なるシード落ちとは違い、日米両ツアーの選択肢が可能となり、迷いも生じるというわけである。昨年末の3試合への参戦は、新カテゴリーの義務試合数を達成する意味合いが強かったが、今回の日本ツアー参戦は、その迷いに対して踏ん切りをつけるためのものでもあるようだ。
「ひとつのホールで何かが起きると、そこからズルズルといってしまう。むかしの僕だったら、そこから這い上がっていく良さがあったんですけどね。その良さが自分自身に失われている。日本ツアーは、僕が育った場所ですから、ここでもう一度、原点を取り戻して、調整しても遅くはないと。もし状態が良くなったら、すぐにでも(アメリカに)戻ってやりたいと思っています」
と丸山は調子次第では、早期の米ツアー復帰もあり得ると言う。
日本ツアーで戦うマルちゃんも見たいし、もう一度、米ツアーで頑張る姿も見たい。ファンの心境は丸山と同様、複雑である。
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