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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/14号
2008/10/10更新
河川敷無法ゴルファーに法規制が
注意聞かない悪質ケースは告発も

 路上での歩行喫煙や電車内での迷惑行為など社会のルールを守らない人が増えているなか、ゴルフに関しても今、一つの問題が起こってきた。ここ数年、河川敷でゴルフの練習をする人が後を絶たず、付近の住民から河川敷を管理する国土交通省への苦情が多くなっているということだ。そういう悪質ゴルファーがいよいよ法規制されるというのだ。

 最近、そんな非常識、無法ゴルファーが増えているのが荒川の河川敷。同省荒川下流河川事務所によると、なかでも戸田市(埼玉県)と板橋区を結ぶ笹目橋や足立区の扇大橋の付近が目立つという。

 同事務所では、笹目橋から東京湾までの約30キロを半分ずつに分け、両岸を4チームで巡回、迷惑ゴルファーを発見するたびに注意を呼び掛けているが、2007年度は32件だったのに対して、今年は7月までですでに48件に上っているそうだ。

 河川を管理・維持するための法律として国は河川法を定めている。しかし、同法上では河川敷でのゴルフ練習の禁止が明文化されておらず、練習をしている人に注意をしても聞き入れてもらえないというのが実情だ。

 とはいえ、河川敷では子どもが遊んでいたり、危険なことも事実。ボールが直撃したら、大きな事故にもなりかねない。そのため、同事務所では、今後、マットを置いて場所を確保するなど悪質なゴルファーの場合、刑事告発する方針だ。

「現在、笹目橋、扇大橋付近に看板を設置して止めるように呼び掛けています。私どもとしては、練習をしているゴルファーを見つけたら、まず警告をします。それでもまだ止めない場合は人物を特定して現場を押さえ、それから刑事告発という流れです。今のところ、そこまでの方はいらっしゃいませんが、ゴルフの練習は危険なので決められた場所でやってほしいですね」(同事務所専用調整指導官)

 一部、テレビの報道番組でこの事態が取り上げられたりしたときには、悪質な人がカメラマンに向かってクラブを振り回したりすることもあった。

 関西地区では、すでに05年1月、猪名川河川敷でボールを打っていた65歳の男性が、兵庫県伊丹署に軽犯罪法違反で書類送検された例もあり、荒川の場合でも同法の適用が検討されているという。

 都内の代表的な河川敷練習場、東京多摩川ゴルフ練習場(大田区)の小林一重プロは、「プロだって狙って打ったつもりが、どこに飛んでいくのか分からないのだから、まして素人ならなおさら危険。絶対に止めるべきでしょう。ただ、新聞や雑誌がこの問題を取り上げると、知らなかった人に、そういう練習方法があるのか、自分もやってみようという気にさせてしまうこともあります。かえって逆効果という感じもしますね」

 今のところ、幸いにも大きな事故は起きていないが、今後、起こる可能性は十分ある。取り返しのつかない事故が起こる前に即刻止めてほしいものだ。

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