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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/21号
2008/10/10更新
ゴルフやめたはずの!? 渡辺司が日本プロシニアに優勝。
秘密は“体作り”にあった

 9月25~28日に行われた国内シニアツアー、日本プロシニアは51歳の渡辺司が最終日の逃げ切りでシニア初優勝を遂げた。渡辺といえば、レギュラー時代から実力はありながら、ここ一番“持ち前の勝負弱さ”で、勝てそうで勝てない選手の代表だった。また、レギュラー時代の終盤には肩の故障で引退の瀬戸際にあったという。その渡辺が見事メジャーVを成し遂げた。


今や「シニア」の主役。 富士フイルムにも勝って2週連続優勝

 古くからのファンにとって、渡辺司というプロはツアー実績(ツアー2勝)とは別に、どこか気になる選手だった。

 ひとつは、対マスコミも含めリップサービスで、また行動で、ファンサービスに熱いプロだったから。そして、もうひとつは「万年2位」の異名をとるほど、勝負弱いプレーヤーだったからだ。

 長年、彼のプレーを見てきたゴルフジャーナリストの児島宏氏も「先日、気になって資料を調べてみたら、レギュラー時代は2位に14回もなっていました」と改めて驚く。その“チキンハート”の渡辺が、シニア初優勝をいきなりメジャーで飾ったのだ。我々が知らぬ間に大変身を遂げていたのだろうか?

「いやいや、渡辺司はやっぱり渡辺司。昔のまま、人のいいプレーヤーですよ」と児島氏。

 実際、今季シニアツアーでは今大会も含め、4試合連続して最終日最終組でプレー。今回は4度目の正直だったのだ。

 また、今季好調(賞金ランク2位)な理由について、本人は「勘違いして買ったマンションのローンがあるから、今後も頑張らないと」と相変わらずの、照れ隠しでもあろう軽口を叩く。

 軽口といえば、「今、シニアで活躍している選手は皆、数々の障害を乗り越えてきたんでしょうけど、僕は障害が来たら、乗り越えないで逃げるタイプだから」と報道陣を笑わせていた。

 そんな渡辺だが、実は近しい人には変化も見せていた。前述の児島氏も「相変わらず緊張するけど、それを少しコントロールできるようになったかな、と話していました」と証言する。

 また、プロ入り以来、契約を続けるSRIスポーツのプロ担当は、「以前は口にすることがなかった『勝ちたい』というセリフを、最近は漏らすようになりました」と内面の変化を語る。

 そうした変化の象徴が、全身の筋肉を鍛え直すコンディショニングへの取り組みだ。多数のトップアスリートのパーソナルトレーナーを務めるケビン山崎氏のトレーニングジムに通って、必要な筋肉を効率よく鍛えるとともに、その鍛えた筋肉に神経を通すスピード・トレーニングなる法を行うことで、故障の不安から解放されたようだ。

「もともと非常に頭の良い方で、自分に必要なトレーニングは何かを考え、必要と理解すれば真剣に取り組まれる姿勢が印象的でした。トレーニングで肉体を鍛えることはゴルフの技術トレーニングをより行いやすくし、また精神的な余裕や自信をもたらす効果もありますから、今後さらに活躍されるでしょう」と山崎氏は語る。

 今季の後半も含めて、来季以降、シニアツアーの「主役」になる可能性もありそうだ。

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