米ツアーは、プレーオフの最終戦が終わって、秋季シリーズに突入している。11月初旬までの残り5試合、賞金ランキング125位までの来季シード権をめぐり、静かで熱い戦いが繰り広げられることになる。9年連続シードを狙う丸山茂樹の動きも気になるところだ。
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キヤノンオープンの後で渡米、
今後を考えたい、と丸山
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プレーオフ最終戦のツアー選手権では、C・ビジェガスが、BMW選手権に続き2連勝を飾り、プレーオフ2位のボーナス300万ドルを含めてわずか2試合で542万ドルを稼ぎ出した。一方で、プレーオフの優勝がほぼ確定していたV・シンは、予定通り1000万ドルのボーナスを手に入れると同時に、今年の賞金王もほぼ手中に収めている。
こうした派手で大きな試合は、9月末で終わり、ビッグネーム達の多くにとって、来年1月までの3カ月のオフシーズンということになるのだが、若手やシード権を目指すプレーヤー達にとっては、これからがラストスパートということになる。
昨年の賞金ランキングの125位は、78万5180ドル。来季のシードがとれる確実なラインを仮に80万ドルとすると、9月28日現時点でシードが確実と思われるのは、ランキング109位まで。つまり、110位以下のプレーヤーは、これからも頑張らなければならないわけだ。
有名どころとしては、110位に獲得賞金78万ドル(1000ドル以下四捨五入)のM・カルカベッキア、111位D・トムズ、122位ザック・ジョンソン(彼は昨年マスターズ優勝で、2012年までのシードを持っている)、123位のトム・レーマン、ちょっと離れて144位リー・ジャンセン、D・ラブIIIも155位にいる。155位で38万ドルの獲得額だから、まだまだとはいえる。
日本の丸山茂樹は、16万ドル強の獲得賞金で198位。秋季シリーズは賞金が安くなるとはいえ、勝てば70万~100万ドル前後の賞金が手に入るのだから、昨年のように一発逆転のチャンスはまだまだある。
ただ、本人は日本の「キヤノンオープンにはエントリーしている」が、その後は一旦アメリカに帰り、「その時に自信が回復すれば米ツアーに出るかもしれないが、まずは戻って考えたい」と言っている。
マネジャーの常住幸三氏によれば「アメリカに戻る気持ちは強いようですが、手ごたえを持って帰りたいと思っているようです。日本には仲間もいてゴルフが楽しくなってきているようですし、このまま帰って成績が挙げられないようでしたら意味がありませんし、本人も決めかねているようです」という。
つまりは、キヤノンで好成績を収めて、自信を取り戻し、秋季シリーズに挑戦して優勝でもしてくれれば、来年のシードも確保できるのだろうが、そうでなければ、来季は日本が主戦場になる可能性も十分にある。
もう一人の日本人プレーヤーの今田竜二の方は、「是が非でも出場したい」と語っていたベスト30のプレーヤーしか参戦できないツアー選手権でもプレーして、規則が変わった来年の全英オープンの出場権まで手にしている。
現時点では獲得賞金273万ドルで、ランキング14位。これに加えて秋季シリーズにも何試合か出場すると意欲満々。
もっとも、今年の米ツアーは、6月の全米オープンを最後にタイガー・ウッズが休場したことから、人気がガタ落ち。8月の全米プロの最終日のTV視聴率は、前年比で55パーセントダウンという数字も出ている。
V・シンとP・ミケルソンが優勝争いをしたWGCブリヂストン招待でも前年比34パーセントダウンで、夏以降の米ツアーは、ほとんど注目されていなかったといえるかもしれない。
どうせ、ツアーの注目度が低いのなら、その間に日本で力を貯え、怪我で療養中のタイガー・ウッズとともに復活するというシナリオも、今の丸山にはアリなのかもしれない。
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