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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/21号
2008/10/10更新
旧イ・アイ・イグループの最後の負債コースが民事再生。
今、なぜの不思議

 旧EIE(イ・アイ・イ)グループ傘下最後のコース、ロイヤルメドウゴルフクラブ(栃木)の経営会社が、9月1日、民事再生手続きの開始を申し立てた。EIEが整理回収機構から破産の申立を受けてから既に8年。EIE傘下の他のコースが早々にEIEグループの手を離れるなか、ロイヤルメドウGCが最後まで残った事情とは。


コースの評判は良かったのだが……

『環太平洋のリゾート王』との異名をとった、故・高橋治則氏率いるEIEは、世界各国に多数のリゾート施設を保有する一方、国内でもピーク時には既設・建設中合わせて11コースを保有していた。

 ロイヤルメドウGCは、「ヒルクレストGCと並んで、EIEグループが最初に手掛けたコース。両コースとも設計に本橋栄一氏を起用し、本橋氏の思い入れもひとしおだった」と、かつてロイヤルメドウGCの支配人を務めた経験を持つ、本誌でもお馴染みの青山薫プロは言う。

 オープンは昭和62年で、会員権の発行価格も最終は3000万円。この当時にオープンしたコースとしてはかなりの高額コースで、平成2年には関東オープンが開催されたこともある。

 高橋氏の影響下にあった東京協和・安全両信用組合が破綻したのは平成6年の暮れ。高橋氏がこの二信組の不正融資を主導した背任の容疑で、刑事被告人の身となったのはその翌年。

 だが、傘下各コースが破綻したり売却されたりしていくのは、平成12年の破産前後から。君津GC(現ロイヤルスターGC)は平成11年に、アバイディングは民事再生を経て平成15年に、それぞれ破産しており、アバイディングは現在PGMグループ傘下にある。

 ヒルクレストは平成12年に再生手続を申し立て、現在は太平洋クラブ傘下だし、平戸GCは平成13年に再生手続きの申し立てをし、ムーアグループを経てスルガコーポレーションに買収されたが、そのスルガコーポレーションも先頃破綻した。

 そんななか、ロイヤルメドウが今日まで生きながらえた最大の原因は、「前オーナーの岩崎安次郎氏が、経営していたパチンコ事業などの収益から借金を返済していたから」(青山プロ)だという。

 ロイヤルメドウの預託金はピーク時で98億円ほどあったが、「市場価格でコースが引き取り、売却損を立てて節税をしてもらう形で会員に納得してもらったりといった交渉を続け、7年間で77億円まで減らした」と、青山プロは振り返る。

 高橋氏は最高裁での逆転勝訴を確信しながら、平成17年夏に急逝。それから間もなく、岩崎安次郎氏もこの世を去り、約3年が経過。ロイヤルメドウが抱える負債は77億円の預託金を含めて146億円。これにEIE関連の保証債務を加えると、その額490億円にもなる。

 プレパッケージ型の再生を目指し、会社側が用意したスポンサー候補は朝霞市の食品卸会社武蔵野の名が挙がっている。だが、一部に会員組織が結成されそうな動きもある。多額の滞納税金もあり、同コースの行方が決まるまでには、まだまだ紆余曲折がありそうだ。

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