ゴルフ場への往復に高速道路は、どうしても欠かせない交通手段となっているが、来る12月20日、北関東自動車道の真岡インターチェンジ(IC)から桜川筑西ICまでの14.9キロが開通、これにより東北道と常磐道がつながることになった。この開通によるゴルファーのメリット、またゴルフ場が受ける“恩恵”を探ってみた。
建設を進めてきたNEXCO(ネクスコ)東日本によると、「今回の開通は、平成8年から計画を推進してきたもので、私どもにとって、ここ数年間では最も大きな事業が完遂したといえます。これにより茨城県と栃木県の間のアクセスが格段によくなると考えられます」(広報担当者)
確かに、両県間のアクセスはよくなるかもしれないが、今回は新たなインターが作られるということではないので、ゴルフ場にとって、都心からのアクセスが格段によくなるというメリットはない。
しかし、東北道と常磐道が繋がることによって、今後、利用者はどちらのルートを選択することもできるようになるため、状況に応じて、東北道と常磐道を使い分けることが可能となる。
そのため、例えば、ゴルフ場からの帰りに常磐道が混んでいれば東北道を利用することができるようになるなどのメリットは得られるはずだ。
さらに、周辺のゴルフ場からは、こんな声も出ている。
茨城県側のゴルフ場からは、「今回の開通によって、東京からのお客様が増えることは期待できませんが、ウチは北関東のいちばん東側に位置していますから、冬でも比較的暖かく、雪の心配がありません。そこで、冬場に雪のためクローズとなってしまう東北方面のお客様がウチに来てくださるようになるのではないかと思っています」(勝田GC)
また、アジア下館CCでも、同様に、「ウチは桜川筑西ICからわずか2分のところにあります。この4月に同ICができた時は都内からのアクセスがよくなったので、お客様もかなり増えましたが、今回はその時ほどの効果はないでしょう。ただ、冬場、雪のためにゴルフ場がクローズとなってしまう福島方面のお客様が増えるのではないかと期待しています」という。
その一方で、筑波学園GC、スプリングフィールズGC、岩瀬桜川CCなどのゴルフ場では、いずれも、「高速道路がつながってもそれほどの変化はないだろうし、集客に関してはほとんど期待していない」という冷めた見方をしているところもある。
結局のところ、12月の冬場の開通ということを考えると、寒い東北を避けて暖かな常盤を選べるという意味で、常盤エリアのゴルフ場にとってはメリットがあるといえるのではないだろうか。
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