今月18日に行われた日本プロゴルフ協会(PGA)の総会で次期会長に松井功氏が再選され、平成23年末までの3年間、引き続き、松井氏が舵取りの大役を担うこととなった。一説には会長交代の情報も出ていたが、あっさり続投が決まった背景には何があったのか?
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松井新体制の面々。左から中山徹新副会長、山口修一新副会長、松井功会長、前田新作副会長
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これまで松井氏は折につけて、「(次期会長は)頼まれてもやらない」と公言、また事前に松井会長の使いこみに関する“怪情報”が流れていたこともあり、本誌がつかんでいた情報では理事会は紛糾するのでは、という見方もあった。
それが、「67歳という自分自身の年齢的なこともあり、会長職を任せられる対抗馬が出てくれば譲ってもいいと思っていたが、誰も会長に立候補しなかった。しかも、あと3年やってくれと頼まれたら、男としてここで辞退するわけにはいかない」(松井氏)と、すんなり松井新体制が再任された。
対抗馬がトーンダウンしたのか、会長立候補者が出なくては、何も始まらず、外野だけが騒いだ格好に終わったわけだ。
総会後の記者会見で、松井会長は、今後の課題として同協会が主催する日本プロゴルフ選手権に冠スポンサーをつけること、会員の職域を広げること、日本ゴルフツアー機構(JGTO)との一本化を推進していくことなどを挙げ、さらに、
「PGAの会員は現在4800人。門戸をこれ以上広げるのは個人的には疑問だ。それよりも会員一人一人の質の向上を考えるべきではないか」
との私見を述べ、外部から招聘することになった専務理事の新ポスト人事を含めて、来年2月の代議員総会までには指針をまとめたいとした。
こうした松井新体制に対して、新任の副会長、中山徹氏は、「副会長として松井体制を擁護し、周りをガッチリと固めて協会を盛り上げていきたい」
と、抱負を語っていたが、理事の一人、木下久雄氏は、「自分たちでスポンサーを見つけるために営業するとか、今後、PGAは独り歩きしていかないといけない。そういう意味では、会長にも外部に顔の利く人を招聘しないといけないのでは。自分たちもPGAの将来が心配ですからね」と釘をさす。
また、今回新たに理事に就任した、本紙でもお馴染みの青山薫氏は、「総会ではいろいろな話が出たけど、お金の使い方も含めてPGAの改革を目指したい。そのためには、地方にもっと権限を持たせて有意義な活動をするなどね」と、熱くコメント。
松井新体制のスタートは来年1月1日から。2期目を迎える松井会長にとっては正念場といえるだろう。さまざまな課題を抱えるPGAをどうリードしていくのか、その手腕を見守っていきたいところだ。
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