3月決算のアコーディア・ゴルフの中間決算と、12月決算のPGGIHの第3四半期業績が出そろった。リーマンブラザーズ破たん後最初の業績開示となったが、対象期間は9月末まで。世界恐慌の様相を呈してきた10月以降の数字は反映されていない。2社の直近の決算はどうだったのだろう。
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アクアラインGCなどアコーディアグループではレストラン収入がアップ
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11月14日発表のPGGIHの第3四半期業績は、営業収益が570億円で前年同期比7パーセント増。だが営業利益は前年同期比15パーセント減の79億円。
今期のPGGIHは営業収益は前期比11.7パーセント増の820億円、営業利益は9.9パーセント増の147億円を目指すはずだった。
しかし積雪の影響で第1四半期から大きく出遅れ、続く第2四半期では6月の長雨にたたられた。燃料の高騰も想定の範囲を超え、7~9月の第3四半期でだいぶ盛り返したものの、計画達成はだいぶ難しそうだ。
アコーディアは2009年3月期で営業収益は前期比14.8パーセント増の890億円、営業利益は13パーセント増の142億円というのが今年5月に公表した期初計画。
9月中間時点では営業収益は前年同期比15パーセント増とほぼ計画ライン。こちらは6月が第1四半期にあたり、やはり長雨や燃料高騰の影響を受け、営業利益は前年同期比5.5パーセント増と遅れ気味だった。
年初の積雪の影響は前期の第4四半期に被り、前期は営業収益、営業利益で期初計画未達で終わっている。
中間期も期初計画は下回っているが、積雪と長雨が同じ期の、しかも上半期だけに集中してしまったPGGIHよりは、ダメージが目立ちにくかったのは間違いない。
ただ、アコーディアは入会金や名変料収入の減少分を、年会費の増加でカバーしたのに対し、PGGIHはカバーできなかった点は見逃せない。
アコーディアは平成17年以降毎年着実に年会費の値上げ対象コースを増やしてきた。そのうえ、「徴収率も毎年着実に上昇してきている」(アコーディア広報)ので、ここ数年の施策が結実したといえる。
会員権相場が低迷を続けるなか、会員権はまさに売り一色。買い手が増えなければ名変料収入は減る一方になる。新規募集も当然苦戦を強いられる。
年会費の値上げ効果は上期の業績を着実に下支えしたのだ。さらにアコーディアはレストラン収入の伸びがかなり大きかった。前年間期比で24パーセント増収ということもあった。
天候にたたられたPGGIHは、「雨天でもプレーをする人はかなりいるので、雨天時の割引き導入などで、当日キャンセルを少しでも減らすなど、これを教訓に、天候に左右されにくい方策を考えていく」(PGGIHl広報)という。
少々のことはゴルフ場数の増加による増収効果でカバーしてきた両社。かつてのようにはコース数が伸びなくなり、右肩上がりの成長路線にも、さすがに陰りが見えてきたといったところか。
懸念された不況本格化に伴う来場者数減は、両社ともに「まだ出ている実感はない」という。
ゴルフ好きにとっては、ゴルフは“とことん困らない限り、最後まで我慢したくないもの”なのかもしれない。
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