12月16日、国内女子ツアーの09年のトーナメント日程が日本女子プロゴルフ協会(LPGA)から発表された(WGD1/6・13号、201ページ)。試合数は3試合減の34試合となったが、うち9試合で賞金額が増額され、結果、1試合当たりの賞金総額は08年よりアップすることに。この不況にも意外に小さな規模の縮小で済んだ女子ツアーの、そのしぶとい内実を見てみよう。
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凱旋した上田桃子も女子プロ人気を盛り上げた
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日程発表の席上、LPGAの樋口久子会長は繰り返し、「100年に1度の大不況のなか、各スポンサー様には感謝したい」と発言した。
実際、賞金ランキング対象競技の試合数・賞金総額はともに03年以来6年ぶりのマイナスとなったが、それでも現下の大不況からすれば、影響は意外なほど小さかった。
あるツアー関係者は、「リーマン・ショックが、LPGAへの申し込み締め切り後だったことが幸いでした」と振り返る。
開催中止となったのは、アコーディア・ゴルフレディス、ベルーナレディース、カゴメフィランソロピーの3試合。うちアコーディア・ゴルフは、当初3月の沖縄での開催を申請していた。
ところが、その日程では20年以上の歴史をかけ、開幕戦として浸透してきたダイキンオーキッドの価値が損なわれるとの判断から調整がつかなかった。
そこで、アコーディア側ではマーケティング戦略を変更。
「過去3年間のトーナメント開催で、当初の目的であったアコーディアブランドの浸透は十分に達成されたと判断。今後は、会員の皆様をはじめ、利用者の方々によりダイレクトに届くサービス事業に力を注ぐことになりました」(広報室)として、来年から利用者を対象にした新イベント「リビエラインビテーショナル」を開催することになった。
アメリカ西海岸の名門コース・リビエラCCに、日本から100名余の一般ゴルファーを招くという、グループを挙げてのイベントを開催して存在をアピールしていく。
中止となった3試合の賞金総額は計2億5000万円にものぼるのだが、34試合中なんと9試合が賞金額をアップ(1試合が減額)。
そのため、ツアーの賞金総額は1億1000万円減の29億2000万円余(08年は30億3000万円余)となったが、1試合平均では逆に400万円増額の約8600万円余(同8200万円余)となった。
スポンサーを奮起させた要因としては、今の女子ツアーが確固とした人気と実力を保持していることが考えられる。樋口会長も、「08年はギャラリー数も、藍ちゃんブームに沸いた05年に迫る1試合当たり約1万5800人に増加。テレビ視聴率も増加し、8パーセント台の好視聴率を記録する試合が12試合もありました」とツアーの充実ぶりを口にしていた。
男子ツアーが「遼くん人気」で売るなら、女子ツアーは「人気選手の層の厚さ」がウリといったところか。実際、ファンにとっては“はずれ”の試合がほとんどないのが、今の女子ツアーだ。
それでも、樋口会長は会見の最後を、「09年はもっと厳しくなると思います。(それに対して)魅力あるトーナメント作りに、選手、協会一丸となって当たりたいと思います」と厳しい口調で結んだ。
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