ドライバーのヘッドに関しては、フェースの反発、体積、慣性モーメントがルールの限界まで行き着き、素材や形状のバリエーションも出揃った感がある。そうなれば俄然注目が集まるのはシャフトだ。2009年はカスタム&リシャフト市場が熱くなりそうだ。
09年は、グラファイトデザイン、フジクラ、三菱レイヨンの“御三家”の間に割って入るシャフトが出てくる可能性もある。
先週号でもお伝えした、ヤマハがカスタムシャフトとして採用した『ロッディオ』(ダイワ精工)。また、男子ツアーで使用選手が増えつつある『プロフォースアクシブコア』や『アッタス』(ともにマミヤOP)もリシャフト市場の注目株だ。
このほか話題となりそうなのはビジェイ・シンが使った『ブードゥー』(アルディラ)や『クレージー』。とくに『クレージー』はリシャフト市場で最近人気が高い。
「『ロンゲストヤード-01』や『同02』は一発の飛びもあるし、他人と違うものを持ちたいというこだわりのゴルファーから指名があります」(ゴルフ工房スパイグラス・玉嵜秀人さん)
また、リシャフトは今や一部上級者やヘッドスピードの速いゴルファーだけのものではなくなってきているようだ。
「ウチでは女性のお客様が増えています。ドライバーでもアイアンでも球の上がりやすい軽いシャフトに替える方がほとんどです」(ゴルフレンド日本橋・大野和昭さん)
ところで、カスタムシャフトとリシャフトを比べた場合、元のクラブの値段プラス1~2万円程度で手に入れられるカスタムシャフトのほうが明らかに割安だ。
「ニューモデルを発売して2週間で、カスタムシャフトの受注本数が昨年1年間の2倍になった」(ヤマハ・土田厚志氏)といった話を聞くと、リシャフト市場がカスタムシャフトに食われるのではないかと思えるが、だからといってリシャフト市場がその分縮小したという話は聞かない。
「シニアや女性などヘッドスピードが遅めのリシャフトユーザーが増えていますが、クラブメーカーのカスタムシャフトは60グラム台や70グラム台が中心で、その下は純正シャフトを使ってくださいというスタンス。しかし、最近の慣性モーメントが大きなヘッドだと純正シャフトでは扱いきれないこともあり、リシャフトの効果が現れやすいのです」(ゴルフショップマジック・鹿又芳典さん)
つまり、プロと同じようなシャフトを求める上級者と純正シャフトで間に合うゴルファーの中間層にリシャフト市場拡大の狙い目があるというわけだ。シャフトメーカーも40グラム台のラインナップを充実させるようになっている。09年はカスタム&リシャフトの裾野が拡大する年になりそうだ。
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