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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/20号
2009/1/9更新
米ツアーで300ヤード超飛ばす選手たちが
年ごとに飛ばなくなった!? 理由とは

 米ツアーでは当たり前のようになっているドライバーでの300ヤードドライブ。この光景、確かに観戦する立場から見れば、迫力満点で面白いが、そんな力任せのゴルフも、そろそろ流行らなくなってきた? 米ツアーでは年々300ヤードを飛ばす選手が少なくなっているのだ。


08年ドライビングチャンプのバッバ・ワトソン。315.1ヤードを飛ばしたが……

 ツアープレーヤーたちの多くが、飛距離を抑えて、フェアウェイをキープすることを重視するようになっている。これは、数字を見れば一目瞭然だ。2005年には年間の平均飛距離で、300ヤードを超えるティショットを打っていたプレーヤーは、26人もいたが、それが06年には20人となり、07年には18人、そして08年は4年前の半分、13人にまで減っているのだ。

 08年の米ツアー賞金ランキングベスト10のプレーヤーの平均飛距離は294.7ヤード、ベスト15となると291.6ヤードだが、同じプレーヤーの07年の飛距離の平均はというとそれぞれ、295.9ヤードと293.7ヤード。

 その差はわずかに1~2ヤードだが、なかには、V・シンやP・ハリントン、J・フューリックのように、飛距離を伸ばしているプレーヤーがいることを考えれば、落としているプレーヤーは、しっかり飛距離をコントロールしてフェアウェイをキープしているとしか考えられない。

 たとえば、タイガー・ウッズは08年はわずか6試合の参戦だが、平均では07年の302.4ヤードから294.3ヤードと8ヤードも落としているし、成長目覚ましいA・キムやC・ビジェガスは、それぞれ1.5と5ヤードほどと飛距離を抑えている。

 トップ15の中で、もっとも飛んでいなかった今田竜二でさえ、07年の282.6ヤードから278.6ヤードに4ヤード、飛距離を落としている。

 この上位選手の飛距離ダウン、一説にはドーピングの影響を指摘する声もある。ドーピングテスト導入を前に、薬物摂取を控えた結果ではないかとの噂だ。

 08年12月21日に終了したタイガーが主催の試合、シェブロンワールドチャレンジでタイガーは、休場中にも関わらず、PGAツアーのメンバーとして薬物検査を受ける義務があることに触れ、「まだ、自宅に(検査官が)来ていないが、来るのを待っている」と語っていた。

 確かに選手達にとってドーピングは神経質にならざるをえない問題だろうが、そうかといって、プレーヤー達の飛距離が落ちたのをドーピングのせいだけにするのはちょっと穿ち過ぎというものではなかろうか。

 それでは、どうして、こういうことになっているのか?

 08年の全米プロで、P・ミケルソンは、ツアーのセッティングに触れて、「ラフが必要以上に深くなると、出すだけとなり、皆が同じペナルティを支払うことになってしまう」と語っていた。

 つまり、パワーヒッターをもってしても、スピンをかけてグリーンを狙うことができないほどにラフの危険性が高い。また、グリーンが速くなってきて、多くのプレーヤーがフェアウェイキープを重視し始めたということのようだ。

 タイガーは同じシェブロンで、来たるウェッジの溝規制についても語っているが、これからはスピンがかからなくなる可能性があるのだから、よりフェアウェイキープが大切になるという。

 つまりは、時代の流れは、確実に飛距離よりも方向性に向かっているということだろう。ということは、非力な日本人プレーヤーにも十分勝機があるということか。

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