08年の男子ツアーは石川遼に始まり石川遼に終わった感があったが、09年の出場権を争うファイナルQTでは、「石川に追い付け、追い越せ」とばかりに、20歳以下の選手達が上位進出を果たした。彼らの09年に懸ける意気込みを聞いてみた。
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左から18歳の前粟蔵、20歳の永野、片岡。QT組に注目だ
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鹿島学園高校2年だった07年の末に、石川遼よりも一足早くプロ宣言をして注目を集めた前粟蔵俊太は、それに先立つQTでは、ファイナルに進出するも、「QT独特の雰囲気に呑まれてしまった」と190位に低迷。
自力での試合出場の権利を得るには至らなかった。しかし、08年のQTでは、370ヤードのビッグドライブで同伴競技者の度肝を抜くなど余裕のプレーで11位に入り、開幕からの出場権を獲得した。
前粟蔵は、石川遼の1歳年上の18歳。この1年で身長は5~6センチも伸び178センチ。体重も10キロ以上増えて77キロと逞しくなった。
「370ヤードも飛んだのは自分でもびっくりしましたけど、普通は280ヤードぐらいです。QTの6日間、初日はオーバーパーでしたが、緊張感のなか、あとは全部アンダーでまわれたのは自信になりました」と前粟蔵。今は矢野東と同じジムに通い、体力作りに専念している。
「遼は成績を出して凄いと思います。僕も、まずはシード。そして1億円プレーヤーを目指します。注目してください」と抱負を語った。
ファイナルQTで13位が確定したと同時にプロ転向を表明した永野竜太郎(20歳)も石川のライバルになると目されるニューフェースの1人だ。181センチ、88キロという恵まれた体から繰り出される平均300ヤードの飛距離が武器になる。
QTの6日間も、「気が張っていたせいか、意外に苦にならなかった」とタフなところ見せたが、やはりオフはトレーニングでさらなる体力アップを図るという。
熊本出身の永野は、水城高校から東北福祉大へとゴルフエリートの道を歩んできたが、石川遼の存在が刺激となり、「早くそこ(プロツアー)へ行きたい」との思いでプロ転向へ踏み切ったという。
「遼のことはあまり意識しないで、自分のゴルフをしたい。でも、僕にとってはチャレンジの年になりますから、全力で戦います」と永野。甲斐慎太郎、小田孔明、藤島豊和などに続く九州男児に注目だ。
同じ20歳勢では、07年11月に19歳でプロ転向した片岡大育も、前回のQTはサードで落ちたが、今回はファイナルまで進み、25位と上位通過を果たした。
片岡は、所属先のKochi黒潮CCで行われていたカシオワールドで4日間を戦った直後に茨城へ移動してQTに臨む強行軍。練習ラウンドも含めると、ほぼ2週間プレーし続け、さすがに疲れた様子ではあったが、「落ち着いてプレーができました。ナイスプレーだったと思います」と片岡。
170センチ、69キロと小柄ながら、「遼も気持ちが強いですけど、僕も気持ちでは負けません。開幕から10試合のうち2~3回ぐらい優勝争いに加わります」と威勢がいい。
彼らのやる気を刺激したのは、言うまでもなく遼効果だ。09年の男子ツアーでの大暴れを期待したい。
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