ツアーのボール占有率はタイトリスト、ブリヂストン、ダンロップの寡占。キャロウェイ、テーラーメイド、ミズノが挑戦しても3強の牙城は崩せない。そこに、ミシュランが割って入る可能性はあるのだろうか。本誌ではいち早くボールを入手、実力をチェックしてみた。
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ミシュランのマスコット・ビバンダムが、グリーンはドライバー(右)を、ブルーはアイアンを振っている
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08年9月ゴルフ用品市場への参入を表明したミシュラン。記念ボールとして先行発売された2ピースボールに続いて、09年1月、いよいよ主役ともいうべきアスリート向き3ピースボールが発売となる。
世界最大のタイヤメーカーであり、かつ最近ではガイド本「ミシュランガイド東京」を刊行するなど何かと注目を集める企業だけに、果たしてどんなボールで日本のゴルフシーンに打って出ようというのか。
本誌では、『ミシュランS・ブルー』と『同D・グリーン』の2タイプの試打をどこよりも早く行った。
ミシュランとライセンス契約するクルーズによると、『ミシュランS・ブルー』は「ソフトな打感の3ピースボール」、すなわちスピン性能をアピールし、『ミシュランD・グリーン』は「しっかりした打感の3ピースボール」で飛びをアピール、というように作り分けられている。
実際のところどんなボールなのか。試打を行ったのはプロゴルファーの関雅史。本邦初のファーストインプレッションとは。
「ドライバーで打つと、どちらも非常に弾きがよく、ディスタンス系ボールに近い初速が出ます。また、サイドスピンが少なく、曲がりにくい印象でした」(関)
『ブルー』も『グリーン』も飛びに関してはほぼ同等の評価だが、アプローチスピン性能で性格の違いがはっきり出た。
「『ブルー』はゆっくり飛ぶのでコントロールしやすい。球は低めに出てスピンが多め。これに対して『グリーン』は球が高く出る代わりにスピンはやや少なめです。基本的に飛距離を求める人には『グリーン』、スピンコントロールしたい人には『ブルー』が合いますが、スピンをかけて止めるか、高さで止めるかといった選択もありだと思います」(関)
では、これらのボールをプロが試合で使う可能性はあるのだろうか。アイオノマー(ミシュラン)とウレタンのカバーの特性の違いから、「ウレタンボールと比べるとアプローチでフェースに乗らないので、スピン系ボールに慣れた選手が切り替えるのは難しい」(関)
が、プロツアーサービスを行うクルーズが現場の意見をフィードバックすることで、プロ使用球の開発がスピードアップする可能性はある。
さて、このニューボール、プロにどうアピールするだろうか。
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