09年のマスターズは話題がいっぱいだ。メジャー3連勝に向けてスウィングを改造しているというP・ハリントン、ひざのケガから復帰の? タイガー・ウッズ、加えてコース改造とそのセッティング等々。そのコースセッティングに対して、かつてのマスターズチャンピオンのN・ファルドのクレームと、なにかと気になる話題に迫った。
|
バーディ合戦の熱いマスターズになるか?
|
まずコース改造については、「09年の改造はマイナーなもので、過去数年経験したような荒天に対応できるようにコースにフレキシビリティを持たせるためのもの」とオーガスタナショナルのビリー・ペイン会長が語るように、手をつけたホールは1番、7番、15番の3ホールだけに過ぎない。
しかし、この改造は、3ホールともに、ティグラウンドを前方に持ってきたり前に拡張するなど、過去11年間、伸ばし続けた距離をわずかとはいえ短くするという“画期的”なものなのだ。これは、難しくなりすぎたオーガスタを、もう少しスコアメークができるようにしようという意図があるようにも思われる。
そうしたなか、マスターズで3勝しているニック・ファルドが、「尻ごみさせるような場所」とオーガスタのコースセッティングを批判したのだ。
ファルドは96年のマスターズで、最終日67で回り、6打差をつけていたG・ノーマンを大逆転して優勝しているが、そのファルドが、「オーガスタはかつては常に65が出せるコースだった。トッププレーヤーたちは、オーガスタでバーディを狙いにゆく才能も技術も持っているが、(今のコースでバーディを)狙いにいくことは自殺行為。良いプレーが報われることが必要だ」と語っている。
ファルドは過去2年間、テレビ解説者として選手たちのプレーをつぶさに見て感じたことを話したのだが、実はこうした批判にオーガスタが耳を傾ける可能性もないではない。
というのも、常にエキサイティングな試合を望み、TV視聴率を気にするマスターズ委員会が、コースが難しくなりすぎたと感じ始めた矢先の、ファルドによる批判の声だからだ。
確かに大規模なコース改造は、今からではもう間に合わないが、グリーンが命のオーガスタでは、ピンポジションでスコアが大きく変わってくる。つまり、攻めることができる位置に、ピンを切ることがありうるのだ。
となれば、最終日の大逆転というエキサイティングなシナリオになる可能性も十分にある。マスターズまであと3カ月。年が明けたばかりとはいえ、どんな試合展開になるのか、今から待ちどおしい限りだ。
|