この20日(日本時間21日)に就任式を終えて、正式にアメリカ大統領となるバラク・オバマ氏。そのオバマ新大統領にゴルフ界がかける期待は大きい。というのも、オバマ氏が結構ゴルフにはまっているからだ。ゴルファー・オバマに迫った。
オバマ新大統領が本格的にゴルフを始めたのは、わずか12年ほど前のこと。もっとも原点はハワイで、現地のゴルフ事情に詳しいH・I・パシフィックの佐藤雄二氏によれば「10歳ごろからゴルフを始めたようで、オロマナゴルフリンクスでハワイのプロ、ケーシー・ナカマにも習っていたようです」とか。
ハワイのプナホウ高校で高校生活を送っていた際にも、ゴルフをやった経験があるというが、スポーツといえばバスケットがメインで、ハーバード大学時代はしばらくゴルフからは遠ざかっていた。
ところが、ケガを心配したミッシェル夫人がもっと安全なスポーツを望み、「ゴルフでもしたら?」と勧めたことから、シカゴのジャクソン・パークというパブリックコースでプレーをして、今ではすっかりゴルフにはまっているのだ。
昨年の大統領予備選挙キャンペーン中で多忙のなかでも、アメリカ各地を回りながら、12ラウンド以上もゴルフをしていたとか。
民主党のノミネーションを争っていた時期にシカゴの名門メダイナCCでプレーしたという話も聞くし、先のタイガーが優勝した全米オープンも、選挙戦の合間を縫って、しっかりテレビ観戦していたという。
「最近では、ぺブルビーチとかセントアンドリュース、今年の全米オープン開催コース、ベスページといった有名なコースでプレーをしたがっている」と語るのは、キャンペーンの旅行のスケジュールなどを作っていたマービン・ニコルソン氏だが、彼女があげた有名コースでさえパブリックであるように、これまでのオバマ新大統領のゴルフというと、意外と庶民的コースが多い。
就任式前のハワイでのクリスマス休暇でも、「13日間に5回のゴルフをしています。ルアナヒルズで1回、ミッドパシフィックCCで2回、そしてオロマナゴルフリンクスで2回プレーをしています。いずれも格式ばったコースではありません」(前出・佐藤氏)とか。
そのオロマナという新大統領のハワイでの“ホームコース”は、地元のプレーヤーならグリーンフィは39ドルというパブリックなのだ。
昨年の8月にもこのコースで高校時代の友人などとプレーしているが、肝心のオバマ新大統領の腕前は、「ロングアイアンが苦手だけれど、ショートゲームは非常にうまい。平均すると、90ちょっとでラウンドしている」(ニコルソン氏)というレフティゴルファーなのだ。
知人でツアープロのパーカー・マクラクリンとハワイでバスケットをした際も、ゴルフのことが話題になるなど、話はついゴルフの方にいってしまうほど。
一般に民主党の大統領は、共和党に比べてゴルフには厳しいという話もある。オバマ氏は例外といえるのかもしれない。
アメリカのゴルフ界も100年に一度の世界不況の荒波にさらされている。1929年の大不況の際、ニューディール政策の一貫として、雇用促進・失業者対策のためにさまざまな公共事業が行われたが、そのなかには、100余りのゴルフ場の建設や改造なども含まれていた。
オバマ新大統領がプレーしたいと願っているニューヨーク州立のベスページなどもそのなかに含まれているのだ。ゴルフ大好き大統領の政策に注目したい。
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