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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2/3号
2009/1/22更新
大不況下のなか、7ゴルフ場を買っていた
会社ってどんなところ?

 ここ数年、ゴルフ場買収戦線のニューフェースとして存在感を増していた新興不動産会社が相次いで戦線を離脱していくなか、まったく別の新興勢力が静かに参入してきている。100年に一度の不況下でゴルフ場買収戦線に参入した新興勢力の横顔を追った。


体力のある会社のゴルフ場買いはまだまだ続くか(写真はタカガワ東徳島GC)

 まずは注目度№1は、四国で塾・予備校を展開している徳島のタカガワグループ。ゴルフ場経営への参入は実は5年前。現在7コースを保有している。

 代表の高川晶氏は名古屋大学法学部卒業後に、共通一次試験を受けて香川大学医学部に入学しなおしている。共通一次対策で5教科7科目を制覇したことが功を奏し、在学中にアルバイトで始めた塾が当たり、退学して塾経営に専念するようになったという変わった経歴の持ち主だ。

 02年には徳島県内の私立病院では最大級の徳島リハビリテーション病院を買収し、06年4月にはその病院と提携させる形で高級有料老人ホームを開業。

 その前月には山口県防府市の高校サッカー名門校で、民事再生手続中の多々良学園(現高川学園)を買収して話題になった。

 ゴルフ場経営に最初に携わったのは03年4月。徳島フォレストGC(現タカガワ東徳島GC)が民事再生手続きに入ったため、まずは経営支援に入った。

「もともと民事再生法ができて以降、再生はビジネスになると思っていた。そこへ地元の徳島フォレストから経営支援の要請があった」(高川晶氏)ため。徳島フォレストを正式に買収するのはこの1年後の04年3月。

 最初に買ったゴルフ場は愛媛の伊予CC(現タカガワ新伊予GC)。再生計画案が否決され、破産になったところを買っている。取得時期は徳島フォレストに支援に入って半年後の03年9月。伊予CCでは取得後に会員募集をかけ、一口100万円、650人の枠はすぐに完売になったという。

 翌月には香川の琴南CC(現タカガワ新琴南GC)、05年11月には北海道のスコットヒルGC(現札幌スコットヒルGC)と、4コースを取得したところで、「価格が上がりすぎて、買える案件がなくなった」(高川氏)。

 その後また価格が下がり始めたので取得を再開。昨年は1月に阿波CC(現高川西徳島GC)、8月に社団法人の山口CC(現タカガワ新山口CC)、11月に岡山の湯原CC(現タカガワ新湯原CC)と3件を取得した。

 今のところ、民事再生のスポンサー就任要請を受けての取得が多いが、ゴルフ場買収には意欲的。「ようやく価格が下がってきたので、コースが良くて価格が折り合えば積極的にに買っていく」(高川氏)。

 基本的に九州全域と、東は紀伊半島の西側くらいまでをターゲットにしており、現在も検討中のコースが7~8コースあるようだが、価格にはかなりシビア。気前よくどんどん買っていくというわけではなさそう。

 OGIグループも注目株だ。グループ傘下のアイランドホテルズ&リゾーツが、ゼクスからアコーディアに渡った那須グリーンコース倶楽部を買収したが、このOGIグループのオーナーは人材派遣大手・スタッフサービスの創業者である岡野保次郎氏。

 スタッフサービスをリクルートに売却した際に手にした1700億円を元手に、投資事業会社など多数の企業を傘下に持つ。軍資金の額が大きいだけに、今後の動向が注目される。

 アーバンコーポレイションから札幌クラシックなど8コースを取得した事業再生ファンド、ACキャピタルも、空前のファンド不況の最中に買っただけに注目株。

 新興不動産会社の参入で行き着くところまで高騰したゴルフ場価格。一転下落に転じ、新たな顔ぶれを加え、買収戦線はまた新たなステージを迎えたと言えそうだ。

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