日本ツアーより2カ月余りも早く2月早々から新シーズンに入るアジアツアー。今年は試合数でも他ツアーとの共同開催を含めると、日本ツアーを3試合上回る28試合が予定されている。そのアジアツアーのQスクールに58人の日本選手が参戦し、3人が合格を果たした。合格選手の狙いとは――。
|
トップ合格の丸山大輔。アジアで戦っていた経験が生きた
|
アジアツアーのQスクールは、ファーストとファイナルの2ステージで実施される。タイで行われた09年シーズンのQスクールには、ファースト合わせて30カ国、総勢507人が挑戦した。なかでも最多選手を送り込んだのは、自国の試合がほとんどないオーストラリアで83人。
次いで日本と韓国からそれぞれ58人ずつが参加し、ツアーライセンスが与えられる40位タイまでの座を目指した。
そのなかでも際立った活躍をしたのがトップ合格を果たした丸山大輔だ。
日本のシードを持つ丸山はファースト免除の資格でファイナルからの出場。初日は23位タイとやや出遅れたものの、5日間の長丁場でじりじり順位を上げ、最終日はイングランドのオリー・メルローとともに首位タイでフィニッシュ。プレーオフ2ホールの末に1位の座を獲得した。
丸山は日本のシード獲得前の01年までアジアで戦っていた経験があり、8年ぶりの“復帰”となる。
「日本のオフは4カ月もあって長いし、練習する場所もないので、久々にアジアのQスクールを受けてみようと思いました」とQスクール受験の動機を語る丸山は、「トップ5に入るのが目標」で戦っていたと言う。
アジアツアーで賞金額がずば抜けて高い試合のほとんどは、欧州など他ツアーとの共同開催だが、それらの高額試合は出場人数が限られ、Qスクールからは、せいぜい5人程度しか出られない。
日本の試合と掛け持ちしながら少ない試合数でアジアのシードも獲得するためには、共同開催のビッグゲームに出ることが大きなアドバンテージになるのだ。
日本選手としては丸山に次ぐ5位タイに入った平塚哲二も、日本の試合数が少ないことがQスクール参戦の大きな動機だったと言うが、欧州との共同開催もアジアツアーの魅力だと話す。
「昨年は(日本で)あまり良い成績が残せなかったので、一から初心に帰るつもりでアジアのQスクールに行きましたが、欧州との共催試合も魅力です。以前からヨーロッパ志向があって、欧州ツアーにも出てみたいと思っていたので、そういうチャンスを生かしたい」(平塚)
33位タイでツアーライセンスを獲得したすし石垣は、アジアは11年目で、まだアジアサーキットと呼ばれていた時代から出場しているベテランだ。やはり共同開催にはぜひ出たいと言う。「今回のQスクールの順位では共同開催に出るのは難しいのですが、ウェーティングして出場の順番が降りてくるのを待つことも考えています」(石垣)
丸山、平塚、石垣の3人は「アジアのレベルが年々高くなっている」と口を揃えるが、今回Qスクールに合格した日本の3人は全員が日本のシード権保持者ということからもレベルの高さが窺える。
発表されている今季のアジアツアーの賞金総額は3600万ドル。長いオフに入っている日本選手にとって宝の山のように見えても当然だろう。
|