不況の真っただ中で開催された今年の米国PGAマーチャンダイズショー(1月28~30日・於フロリダ州)だが、タイトリストやピンが復帰するなど明るい材料も。本誌でもおなじみの関雅史プロが現地からいち早くホットレポートを届けてくれた。
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ネックの付け替えができる イエス! パター
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「出展は2割ほど減ったそうです。ショーの前日に行われたデモ(試打)デーも、昨年はぎっしり打席が埋まっていたのに今年はすき間が目立ちました」(関プロ以下同)
デモデーだけに参加して、ショーに出典しないメーカーは以前からあったが、今年はさらに顕著だったようだ。
「ナイキは最たる例。デモデーにはトレバー・イメルマンやスーザン・ペターセンを呼ぶほどでしたが、ショーのほうは昨年出していた試打ブースもなくなりました」
日本のシャフトメーカー、フジクラ、グラファイトデザイン、三菱レイヨンもデモデーだけの参加だった。
「シャフトは打たせてなんぼ。自分たちが一番アピールできる場所を考えたのでしょう」
一方、今回からショーに復帰したアクシネットは、デモデー、ショーともに出展社中最大のブースを構えた。
「デモデーでは打席の後ろにショートゲームのコースを設置して、新しい『プロV1』や『ボーケイ』の新ルール適合ウェッジを打たせていました。『プロV1』に関してはスタッフも自信ありげでした。フィッティングではキャロウェイの『I-MIX』のようにシャフトを交換できるシステムも導入されていました。こちらはフェースアングルも変えられるようです」
調整システムはパターに広がるかも。クランクネックやダブルベンドなど4種類のネックを付け替えられる『イエス! Cグループパター』だが、これにはもう一つの仕掛けがある。
「アルティマイザーという重りをシャフトのなかに入れて、クラブ重量やヘッドバランスまで変えられるフルカスタマイズパターです」。
いずれ日本にも導入されるだろうが、気になるパターではある。
このところ米国でボールの販売が好調なブリヂストンは、サイエンスアイを使用したボールのフィッティングを提案した。
「各社の主要ボールを用意して、全部を打ち比べさせていました。ドライバーがルールで制限されているため、ピンのようにフィッティングをテーマとするメーカーが増えました。ピンのブースには女性が多かったのも印象的です。また、計測器はどこの試打ブースにも必ず用意されていて、フィッティングの世界も完全にデジタル化の時代だなと感じましたね」
このほか、大盛況だったのはSRIスポーツのブース。
「クリーブランドを買収したのは大正解。スタッフは、クリーブランドとスリクソンZシリーズボールをミックスするといいとセールスしていました」
PGAショーで打ち出された各社の新戦略が、ゴルファーの冷えたマインドに届けばいいのだが。
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