日本では17歳の石川遼に話題集中の感だが、欧州からも、また1人若手のスターが表舞台に飛び出してきた。それもとびきりの才能をもった19歳! 先のドバイデザートクラシックで、その歳と同じ19アンダーで初優勝を飾ったローリー・マクロイのことだ。
ドバイデザートクラシックといえば、欧州ツアーのなかでも、トッププレーヤーが集まる試合として知られているが、そのドバイで、欧州ツアーの1昨年の賞金王ジャスティン・ローズに1打差、ヘンリク・ステンソンに2打差をつけ、堂々の優勝を果たしたのだ。
ポール・ケーシーや昨年の賞金王ロバート・カールソン、あるいはセルヒオ・ガルシアなども活躍したが、最終日、9番から5連続バーディを記録したマクロイには及ばなかった。
「初勝利だっただけにきつかった。これで、2度プレーオフで敗れた時(昨年の香港とスイス)に背負った肩の荷がおりた。バック9でリードしていたが、その後、ジャスティン(ローズ)がバーディをとっている時に、スコアを落としてしまったが、最終18番で、すごいパーを拾って、逆襲に成功した。18番の第3打はアドレナリンが出過ぎていたんだろうね。バンカーに打ち込んでしまった。でもそこからのバンカーショットは、これまでの人生で最高の出来。タップインのパットで優勝というのは、最高に気持ちがいいよ」と勝ちパターンを覚えた、これからが楽しみな逸材だ。
日本で注目されたのはこの優勝からだが、2歳の時に40ヤードのティショットを打っていたという話もあり、マクロイは、以前から注目の若手プレーヤーだった。
実際、「毎回優勝争いに加われるような実力はついてきていた」と本人も語るように、ここ数カ月の成績を見ても、急激に力をつけてきていた。
昨年、中日クラウンズに来日。このときは33位とふるわなかったが、11月の香港オープンで2位になり、12月の南アオープンで3位タイ、今年1月のアブダビでも5位タイと、トップ10に入る活躍を見せていた。
そんなマクロイを評して、マーク・オメーラは「心構えや心臓の強さは重要な要素だが、彼は確かにその点でも一流だ。ボールを打つという点でも多分タイガー・ウッズが19歳だった時よりも上にいる。
もちろんタイガーは、その後に月日をかけて、自分のゲームやスウィングを作っていったが、19歳当時はピンハイを直接狙っていけるような技術を持っていなかった。これに比べて、マクロイはすでにそうしたことをやっている。それを考えれば、彼はタイガーの19歳の時よりも一歩先んじているといえるだろう」と絶賛している。
今季のシーズンはティショットで平均302.6ヤードの飛距離を出している飛ばし屋。この点でもタイガーに似ているが、今回の優勝でワールドランキングも16位となり、いきなりトッププレーヤーの仲間入り。
石川遼の強力ライバル出現といえそうだ。
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