日本ゴルフ協会(JGA)では今年から主催競技のうち、オープン競技を除くアマチュア競技では、これまでローカルルールとして採用していた「ワンボール条件」を採用しないことにした。つまり、公認球であれば、ホールごとに使用球を替えることが可能になった。ならば、スピン系とディスタンス系をホールによって使い分けるという“作戦”は可能なのだろうか。トップアマに聞いてみた。
正規のラウンド中、違うブランドや違うモデルのボールへの取り替えを禁止するワンボール条件は、もともとゼネラルルールではなく、「取り替えることによってメリットが得られる一部のエリートゴルファーの競技に限って採用されるべきルールで、世界的に採用しているのはプロツアー競技に限られています。R&A主催の全英アマでも採用されていません」(JGA)。
世界のすう勢として、そして、アマチュア競技では、この規定を外しても競技に大きな影響は認められないという判断から、JGAでは今年からワンボール条件の採用をやめた。
傘下の各地区連盟もJGAの規定に準じるため、地区連盟主催の各アマ競技でも、ホールごとにボールを替えることができるようになる。
また、これによりラウンド中にボールを使い切っても、同伴競技者からボールを拝借することができるようになった。
ところで、ほとんどのボールメーカーは、同じブランドでディスタンス系とスピン系、2種類(またはそれ以上)のボールを用意している。双方の飛距離の違いは、トップアマでは10~20ヤードもある。それだけ違えば、2打目は1番手以上変わってくる。戦略に生かすことはできないのだろうか。
「距離感がぐちゃぐちゃになるでしょうから、まったく考えられません」(松村和彦さん、42歳、07年日本ミッドアマ5位タイ)と、まったく関心を示さない一方で、澁谷重氏さん(65歳、08年日本ミッドシニア10位タイ)は、「そうなったのでしたら、いろんなボールを試して、どんな使い方ができるのかやってみようと思います」と使い分けの可能性を探るトップアマもいた。
さらに、尾崎光一さん(66歳、03・04年全日本シニアパブリック東日本決勝優勝)は「私は少しでも飛距離が欲しいので、ホールによってはディスタンス系を使います」と、さっそくツーボール使用宣言。尾崎さんは、以前からワンボール条件のない競技では2種類のボールを使い分けていたという。
その使い分けとは、グリーンをミドルアイアンで狙えるホールであれば、「ディスタンス系でも、今のボールはピンを狙ってグリーンに止められます」。
だが、30~50ヤードのアプローチはスピンが効きにくく距離感が難しいので、そうなるようなホールではスピン系を使うという。
“ツーボール作戦”、簡単ではないが、試してみると面白いかも。
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