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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 3/10号
2009/2/26更新
開幕戦で活躍するも終盤失速で2位。
ミッシェル・ウィの復活は本物?

 ハワイ・オアフ島タートルベイリゾートで開催されたSBSオープンで2位となったミッシェル・ウィ。スランプ脱出の声も聞くが、昨年秋頃よりすっかりマスコミの前から姿を消したかっこうだったウィの復活は本物なのだろうか?


今大会で勝っていればワンステップ上に上がれただろうに……

「安定したプレーができている。悪かったのは、1ホールだけ。もちろん、トロフィを獲得できなかったことには失望しているが、得るものは多かった」と語るウィだが、その失敗したホールは11番のミドルホール。

 実はこの11番のティグランドに立った時点では、ウィは10アンダーで、この試合で優勝したアンジェラ・スタンフォードに3打差をつけてトップに立っていた。

 それが、ティショットを右に曲げて池に打ち込み、第3打をグリーンオーバー。結局ダボを叩いて、スタンフォードとの差を1打にしてしまったのだ。一方のスタンフォードは、13番から3連続バーディ、ウィは17番でもボギーを叩き、終わってみれば、3打差の2位になっていたのだ。

 これまでにもウィが最終ラウンドを前にリーダーズボードのトップタイに立っていたことは、少なからずあった。

 2005年の全米女子オープンでは、最終日パットがまったく入らず83の大叩きをして崩れ、06年の全米女子オープンでも、最終日パープレーをすれば、プレーオフに残れたものの73の2オーバーで、結果は3位タイ。

 ここ一番の勝負どころで、バーディをとるどころか、ボギーを叩いてしまっていた。

 そうした意味では、「彼女の才能は疑う余地がないが、タイガー・ウッズが最終日にトップかトップタイになって、優勝を逃したことがないことを考えれば、メンタル面での違いは明らか。しかし、ウィはまだ19歳。メンタル面での成長は、これからということかもしれない」(米ゴルフ記者)というように、まだ発展途上ともいえる。

 ウィ自身も、「もっと経験を積んで、いろいろなプレーヤーから学んでゆきたい。次のレベルに進むのには、何をすればよいのかわかっているつもり」と語り、以前より随分と大人になったことを感じさせる発言もしている。

 さらに、「安定したプレーができた。次に何をすればいいのかわかっている」という言葉は、優勝を逃した2006年のクラフト・ナビスコでも、まったく同じ言葉を使っており、ある意味、2006年の強かった頃に戻ったことを示しているようにも思える。

 予選落ちが続き、ボロボロだった昨年からすれば、確かに復活といえるのかもしれないが、今回は以前のウィとは、ゴルフの組み立て方がかなり違っていたということもあった。

 というのも、以前には普通に280ヤードの距離を飛ばしていた彼女が、SBSオープンでは平均飛距離が251ヤードと明らかに飛距離を落としていた。確かに風が強く、皆が飛距離を抑えていたとはいえ、ウィのドライバー飛距離ランキングは7位タイ。

 それでいてフェアウェイキープ率は66.7パーセントでランキング104位タイなのだ。実際には、ショットがさほど安定しないにも関わらず、飛距離だけが落ちてしまっているような印象が少なからずあった。

 強風の影響といえばそれまでだが、生まれ育ったハワイでの試合だけに、こうした不安材料も残している。

 今回のハワイで勝っていれば、これからの展開が随分と変わってきただろうが、それはタラレバでしかない。

 今年10月には20歳になるウィ、プロ初勝利に向けて、今年が正念場となるのは間違いがなさそうだ。

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