常駐組が今季から4人に増え、日本人選手への期待度が高まっている米女子ツアーだが、同ツアーはいま、世界同時不況の影響をもろにかぶった格好になっている。そんななか、昨年の賞金女王、ロレーナ・オチョアが第2戦ホンダLPGAタイランドに今季初登場。オチョアに今季のツアーのこと、また自身の心境を聞いた。
|
今年もナンバー1を狙う、とオチョア
|
アニカが現役を退いた後、LPGAツアーの屋台骨をひとりで支えている観がある彼女はこのオフ、メキシコ航空の重役との婚約を発表している。まず、直近の話題の結婚については。
「年末に結婚します。人生の第2章が始まると思うと、わくわくしています! ゴルフ以外の時間が充実していなければ、いいプレーはできません。大好きな人と過ごしてリフレッシュできれば、それだけゴルフライフも充実します」とこちらはおのろけ。
「今年は特別な年になりそうな予感がする」そうだが、結婚が引退の時期を早めるのかと問うと「それはない」ときっぱり。「家族を持って、母親になることは私にとって大きなチャレンジ。でもまだゴルフをやめる気はありません。少なくともあと5、6年はナンバー1の座を守りたいですから」
最近アメリカにもアニカの後継者の呼び声が高いステイシー・ルイスや、「世界ナンバー1になるのは時間の問題だと思う」と胸を張るポーラ・クリーマーといったスターやスター候補生がいる。
またアジアの20歳前後の若い選手の活躍には目を見張るものがある。だがなんと言ってもオチョアのようなスーパースターの存在は不可欠だ。
「去年の後半はゴルフ以外に費やす時間、たとえば取材やスポンサーとのおつきあいなどが多すぎて、正直疲れました。その反省を踏まえ、今年はゴルフ以外のことにはなるべく労力を使わないようにして、じっくり納得行くまで練習したい。もちろん勝てるだけ勝ちたいですし、稼げれば稼げるほど良いですね」
昨年は前半瞬く間に6勝を挙げながら、後半は1勝に止まった。失速したのは「精神的にプチ・バーンアウトになっていたから」と証言する関係者もいる。だが今回のインタビューではモチベーションが完全に戻っていることを感じさせた。
アジア系の台頭がLPGAツアー人気低迷の要因の1つと言われていることに関しては?
「アジアの選手たちは尊敬するほど頑張り屋です。練習量も多いし、パク・セリやグレース・パークが道を切り開き、その活躍に触発されて、今こうして多くの若手が台頭しています。私も見習ってメキシコのパイオニアになりたい。若い人が私の姿を見て、ゴルフに興味を持ってくれれば最高。アジア勢の活躍はツアーにとってプラスでこそあれ、マイナスは全くない」
なんとも優等生的発言である。では昨今の“スポンサー離れ”について女王はどう考えているのか?
「LPGAが直面している問題については、コミッショナーがちゃんと考えてくれているでしょう。私たちプレーヤーはとにかく良い試合をしてツアーを盛り上げるだけ。みんな素晴らしい技術とガッツを持っています。私たちの本当の姿をもっと見てもらいたいですね!」
今年の目標は「ナンバー1の座を維持すること」と言い切ったオチョア。その表情には、公私ともに充実した様子が見て取れる。
今年も手強い存在になりそうだ。
|