ジャパンゴルフフェアで昨年の9社を大きく上回る14社のシミュレーションゴルフメーカー(および代理店)が出展したように、ゴルフバーがビジネスモデルとして成功を収めて以来、シミュレーションゴルフに新規参入するメーカーが急増。ゲーム機自体も日進月歩で進化している現況を追った。
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(上)3画面の3チャンネルシミュレーター
(下)カップイン感覚が味わえるスイングキャプチャー
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シミュレーションゲームは、激化する競争を勝ち抜くために、どこまで本物のゴルフに近付けられるかが開発テーマとなっている。そんななか、これまでにない臨場感を売り物にしているのが、エースゴルフ(韓国)の『3チャンネルゴルフシミュレーター』だ。
この機種は、航空写真測量により精密にデータ化された3D画像が、通常の正面スクリーンのほか、180度状にプレーヤーを取り囲むように配置された左右のスクリーンにも映し出されるため、実際のコースに立っているかのような雰囲気が味わえる。
シミュレーションゴルフの泣き所であるパッティングの臨場感を改善したのは(株)ピー・エス・ディーの『スイングキャプチャーSC10000』だ。
従来のシミュレーションゴルフでは、スクリーンに向かって球を転がすが、それではカップに沈める感覚は得られない。また、製品によっては、進行時間を早めるなど設置店の都合でカップサイズが変更されている場合もあって、興味をそがれる場合もあった。
しかし、『スイングキャプチャーSC10000』は、残りの距離が4ヤード以内になると人工芝上に自動的にカップが現れる“リアルパット機能”を搭載。
さらに、エアコンプレッサーで床下のシリンダーを駆動してグリーン面が傾斜し、上りや下り、ラインを再現できるようにして、ライン読みやタッチなど実戦さながらのパッティングを楽しめるようにしている。
ちなみに、この機種の本体ソフトは韓国製だが、リアルパット機能は日本で独自に開発されたものだ。
「距離感やイメージがゴルフとかけ離れているという上級者の指摘があり、それなら本物のカップを作ってしまおうというのがそもそもの発想でした」(営業部・中條一彦氏)
また、純国産を謳い文句にしたものもある。いまやシミュレーションゲームのほとんどが韓国製品で占められているなか、『ショットリーダー』((株)デジタルゴルフ)は国産機器で、ショットの精度を売り物にする。
「他の製品は赤外線センサーを利用していますが、『ショットリーダー』は『サイエンスアイ』などにも使われている超高速度カメラを使用しているため、スピンまで正確に計測できます。スライスやフック、バックスピンなどイメージ通りの球筋が再現できます」(デジタルゴルフ・横山俊朗社長)。
シミュレーションゴルフが登場したのは20年ほど前だが、「当時はそれなりものを作ったと自負していましたが、最新の機種と比べると画像も粗く隔世の感があります」(前出・横山氏)
ゴルフバーなどシミュレーションゴルフが身近になったこの機会に、「本物と違う」と敬遠してきた人ももう一度試してみてはいかがだろう。
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