1959年の開場以来約50年の歴史を誇り、5月には女子プロツアー・クリスタルガイザーレディスの開催も予定されている京葉CCで、産業廃棄物投棄問題が浮上している。一体何が起きているのか。
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歴史あるコース・京葉CCで起こった廃棄物処理騒動、どうなる?
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千葉駅から車でわずか15分という好立地を誇る京葉CCは、都内最古のガラス工芸品メーカー・瀧波硝子の当主・滝波栄一郎氏が創設したゴルフ場だ。瀧波ガラスの錦糸町工場は2002年に製造を止め、しばらくはコンサート会場などとして貸し出されていたが、2005年に取り壊されている。
コトの起こりは昨年6月下旬に、千葉市や市内のマスコミなどに、「京葉CCの敷地内に大量のガラスが不法投棄されている」ことを告発する匿名の文書が送りつけられたことにある。
この告発文書は千葉市の民主党市会議員・今村敏昭氏の事務所にも送りつけられ、「市の産業廃棄物指導課に適切な対応をとるよう要望したが、その後市が何のアクションも起こさなかった。そこで独自に埋設ポイントを割り出し、8月下旬に掘削調査をかけたところ、大量のガラスが出てきた。分析の結果、国の基準を遙かに上回る有害物質も検出された」(今村議員)という。
埋設されていたのは、7番ホールのティグラウンド脇など3カ所。いずれもプレーに影響が出る場所ではないため、営業は通常通り行われている。
千葉市は京葉CCとコース施設の一部を所有する(株)タキナミに、廃棄物の撤去を求める行政指導の改善勧告を出している。
「産業廃棄物処理法上違法かどうかは、廃棄時期の特定などを必要とし、現地点では判断していない。両者が全量撤去するといっているので、自主性に任せている」(千葉市)
ただ、この問題、「会員は現時点でも経営会社からしかるべき説明は受けていない」(京葉CC会員)という。
京葉CCは株主会員制と預託金制を併用しているが、昨年赤字決算を理由に実施された、年会費と名変料の値上げに会員が反発。決算や経営に関する詳しい開示を株主会員が求め、会社側と対立する形になっている。
署名レベルで集まった約130人の株主会員のうち、70人弱がこのほど開示を求めて提訴に踏み切った。
「もともとは年会費などの値上げをきっかけに、経営内容の開示を求めて動いていた。廃棄物の件はあとから出てきた問題だ」(有志の会員)。
この会員によると、大量の廃棄物が投棄されたのは13年前の96年。コースの拡張工事の際に、親会社のガラス工場から出たガラスがこのゴルフ場に埋められた。
古くから在籍している会員の多くはそのことを知っていたが、「匿名の告発文が各方面に送りつけられて、表沙汰になっていることを我々が知ったのは11月になってから。既に時効が成立しているので、千葉市が動かない限り動けない、というのが千葉県警の見解だった」という。
「この問題の対応の窓口は社長に一本化されているが、社長は現在米国に出張中。廃棄物の撤去工事は3月中旬までには終了する予定だと聞いている」(京葉CC総務)というので、5月の大会には十分間に合うということなのだろう。
ツアーを主催するLPGAは「トーナメントに重大な影響があるなら別だが、いまの段階では対応はまだしていない。今後情報収集していきたい」という見解だ。
今後、この問題、どうなるか動向が注目される。
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