国内男子ツアーの開幕までまだ1カ月もあるというのに、今季はツアー運営をめぐるニュースが慌ただしい。先週も、日本ゴルフ協会(JGA)と日本ゴルフツアー機構(JGTO)から、選手も気になる変更事項が発表された。
まず、JGAからは例年日本で実施されている全米オープンの最終予選会の日程と出場資格の変更が発表された。国内ツアー日程との兼ね合いから、実施日が6月1日から5月25日に繰り上げ。
そして、出場資格は昨年までの日本ツアーの前年、ならびに4月(今年は4月29日)までの優勝者に加え、前年賞金ランキングの上位25人にも資格が与えられることになった。
ちなみに、アジアンツアーと豪州ツアーにも同様の資格が設定されているので、有資格選手は日本での最終予選会に出場できる。
「全米ゴルフ協会がせっかく国外で開催する最終予選会にもかかわらず、昨年は出場選手がたった12人にとどまったので、これをより活発にするためです」(JGA関係者)。
出場がわずか12人だったために、予選通過者は一昨年までの3人から2人に削減されるという残念なことにも……。しかし、この資格変更により今年日本ツアーからは、現時点で昨年より10人多い25人が有資格者となる。
同じく活性化を図る狙いで導入の方針が発表されたのが、賞金シード権の2段階制だ。現在、賞金ランキングの上位70人までは翌年のシーズンを通してのシード権が認められている。
これを、11年からは上位50人前後の上位シードと下位シードに分け、下位シードはQTや下部ツアー上位選手との入れ替えを行うというもの。
「入れ替えの方法などは決まっていませんが、ファンにとってもスポンサーにとっても魅力ある試合になるよう、そのときに調子のいい選手が出られる仕組みにしたい」(JGTO事務局)
シード権の見直しには唐突感もあるが、JGTOの山中博史専務理事によればツアーの活性化を図る一環で以前から検討されていたという。それが、ここにきての急速なツアー規模の縮小(=賞金減額)のなかで、より積極的に導入を図ったようだ。
その賞金減額の動きだが、先月の本欄で伝えたよりも状況はさらに悪化。小泉直会長は「全部で5~8社。減額幅は当初の5~10パーセントから、最大で20パーセントも覚悟しなければならない」と語った。総額37億1000万円の20パーセントというと7億円余にも……。
さらには、毎年12月に開催されている男子・女子・シニアの対抗戦「3ツアーズ」もスポンサーの日立の撤退にともない、中止されることになった。
現下の経済状況からこうしたスポンサーの動きは避けられない。そのなかでツアーの魅力、付加価値を増大させるには大胆な改革も必要だろう。
ツアー運営をめぐるニュースはまだまだ続くのかも知れない。
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