石川遼や若手女子プロの活躍でゴルフに関心を持つ人たちが増えてきた。それを裏付けるように、各地の練習場ではビギナーの若者、家族連れなど多くの客が詰めかけ、かなりの賑わいを見せている。そんな練習場に来場する潜在ゴルファーを“取り込もう”とばかりに、ゴルフ場、ショップなどから熱い視線が注がれている現況を追った。
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今、練習場に注がれる目は熱い!(写真は川口グリーンゴルフ)
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打席数300を数える大型練習場の川口グリーンゴルフ(埼玉県)では、週末ともなると、家族連れなど1日に2000人以上、年間では50万人近くの人がが来場するという。
そうしたなか、ゴルフ場運営会社やゴルフショップなどが自ら練習場を経営したり、既存の練習場とコラボした“練習場ビジネス”に取り組む企業が多くなっている。厳しい経済環境が続き、人々の消費意識が鈍る今、練習場ビジネスがゴルフ業界の救世主になりそうな雲行きだ。
ゴルフ場運営大手のパシフィックゴルフマネージメント(PGM)でも、この4月から練習場との提携ビジネスを展開する。
同社が実施する「練習場×PGM提携プログラム」は、ヤーデージプログラム(プレーに応じてヤード=ポイントを獲得でき、貯めたヤードで無料プレーが楽しめる制度)。
平日、全国11カ所の提携ゴルフ練習場を利用すると、100ヤード交換券がプレゼントされ、同社の運営ゴルフ場でのプレーに使える。
「練習場に行く人が多くなっていますが、練習場だけで終わってしまってコースには出たことがないという人も少なくありません。そういう方を1人でも多く取り込みたいというのが、今回のプログラムの狙いです」(PGM広報部)
先に紹介した川口グリーンゴルフは、11カ所の提携ゴルフ練習場の一つ。森田浩二支配人によると、PGMとの提携の最も大きな目的は集客のアップだという。
「私どもの練習場をより多くの人に知ってもらい、利用してくれればと期待しています」
このほか、つるやゴルフでも、この3月に大阪・箕面市に3カ所目の直営ゴルフ練習場「つるやゴルフセンター箕面」をオープンした。
「ゴルフ用具を売るだけではなく、あらゆるシーンを通じてお客様のゴルフライフを広げていきたい。直営のゴルフ練習場もその一環です」(広報宣伝室)
同社が練習場経営を始めたのは2005年からだが、それ以降、ショップでの売り上げも伸びたという。その背景に練習場との相乗効果があったことは間違いないだろう。
PGMと並ぶアコーディア・ゴルフはすでに練習場と提携ビジネスを展開しているが、狙いはほぼ同じ。
練習場に集まる人たちは、ゴルフ業界に関わる企業にとって何物にも代えがたい“宝の山”。練習場をめぐるビジネスはこれからもさらに熱を帯びるに違いない。
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