週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

　ETC（自動料金収受システム）搭載の普通乗用車を対象とする土日祝日限定での高速道路料金引き下げが3月28日（土）から開始されたが、それに先立ち、20日から東京湾アクアラインが1000円で通行できる料金引き下げが行われた。20日の祝日から土日の3日間、ゴルフ場への影響はどうだったのか。

　NEXCO東日本がまとめたところによると、3日間（20日～22日）の交通量は値引き前の前週より27パーセント増。最終日の22日は強風によって16時40分から19時まで通行止めとなったことを考えれば、かなりの大幅アップといえるだろう。

　アクアラインの正規料金は3000円と高額なだけに、この料金引き下げは値頃感がかなり高く、それにつられて出かけた人も多かったのだろう。

　となると、この3日間、アクアラインが使える千葉のゴルフ場も賑わったのではないかというと、「来場者数で見れば、1000円になったからといって普段の週末と特に大きな変化はありませんでした」（千葉よみうりCC営業担当）

　木更津GCでも来場者数は普段の週末と変わらず、「料金引き下げの影響はありませんでした」（営業担当）と、言い切る。

　それよりもむしろ、今回の料金引き下げでは、新たな問題が浮き彫りになった。

　セントレジャーGC千葉の小島支配人は、「来場者数は変わらなかったのですが、ゴルフ以外の行楽のお客さんがアクアラインを利用することで渋滞が起こり、早い時間のスタートはいいのですが、9時台、10時台のスタートとなると影響が出たことのほうが問題ですね。帰りも時間によっては渋滞で大変だったという声も聞きました。この点は今後も状況を見守っていきたいですね」

　ゴルフ場の来場者に大きな変化がなかったことに対しては、この3日間は祝土日だったことを考えると、予約なしでのプレーはまず無理。その点、アクアライン割引を予想しての予約はまだ少なかったのかも知れない。

　それより、渋滞の問題は、行楽客が増えたことでゴルファーに余計な悩みの種となったわけだ。実際、木更津GCでは朝のスタートに遅れそうになった人もいたそうだ。

　特にこの木更津周辺は、潮干狩りシーズンの4月から6月ごろともなると、行楽客が集中し、そうでなくとも渋滞が起こる地域。この時期、アクアラインを利用してゴルフ場に行く場合は、いつもより早めに家を出たほうがよさそうだ。

　さらに、アクアラインGC、東京湾CCなど千葉県内に11のコースを有するアコーディア・ゴルフでは、

「まだ顕著な影響は出ていないようです。ただ、今後、シーズンに入ると良い影響が出てくるのではないでしょうか。今までアクアラインの料金がネックになり、敬遠されていたような方の選択肢のなかに房総半島のゴルフ場が入ってくるのではないかと期待しています」とその効果を期待する。

　アコーディアの場合、アクアラインとは関係ないが、28日以降は、これまで遠くて敬遠されがちだった群馬方面のゴルフ場の予約が増えているという。

　政府による生活対策として、さまざまな話題を投げかけながらスタートした高速道路の「休日特別割引」だが、料金体系の整備が間に合わなかったり、いろいろ問題は少なくない。一刻も早く料金の整備、割引の実施を願いたい。