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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/21号
2009/4/10更新
3年ぶりに米ツアー優勝したK・ウェブ
心の中に起きた勝利の“化学反応”とは

 ここ2年勝星に見放されていたカリー・ウェブがJゴルフ・フェニックスLPGAインターナショナルで3年ぶりの優勝を飾った。久しぶりの米ツアー優勝、ウェブの心模様に迫った。


久しぶりの米ツアー優勝。強いウェブが戻ってきた

 最終日は今季すでに1勝を挙げているシン・ジエを1打差で追う展開。上り調子の20歳を相手に、34歳のウェブは最終ホールでイーグル逃しのバーディを奪い逆転で通算36勝目を挙げた。

 強いウェブが甦った瞬間。だが最終ホールでファーストパットを打つ前は「とても冷静ではいられなかった」という。

「考えれば、最後に私がスリーパットしても勝てる状況なのに、何をそんなにじたばたしたのか不思議。それだけ緊張していました。とにかく勝てて良かった。ホッとしました」とサングラスの下に嬉し涙を隠したウェブ。

 デビューの年にルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)と賞金女王の座を同時に射止めたゴルフ界のスーパーガールは、90年代、アニカ・ソレンスタムと常にトップ争いを繰り広げ、20代ですでに殿堂入りの資格を手にしていた。

 だが米ツアーで最後に勝ったのは06年ミズノクラシック。以降まるまる2シーズン優勝はなく、ことあるごとに、「最近勝てないけれど、どうしたの?」という言われ方をしていた。

 その都度本人は「オーストラリアでは何度も勝っているので、優勝から遠ざかっている意識はない」と反論してきたが、心の中では「自分の力を信じて、勝てると思っていても、結果が出ないと“もう勝てないのでは”と不安に苛まれる日もあった」と本心を打ち明ける。

 そんなウェブにとって大きな刺激になったのが、前週のマスターカードクラシックで3年振りの優勝を飾ったベテラン、パット・ハーストの存在だった。

 実はハースト、ウェブの長年のコーチであるイアン・トリッグスに今年の1月から師事し始め、大がかりなスウィング改造に取り組んだ途端、久々に勝利の美酒に酔ったのだ。

 同じ週にはやはりトリッグスの教え子で、ウェブにとって妹弟子に当たる上原彩子が日本ツアーのPRGRレディスカップで優勝。同門におめでたいニュースが続いた。

彼女たちができるなら私にもできる」。ウェブの心にある化学反応が起きた。最後まで強い「攻めの気持ちを忘れなかった」ベテランに軍配が上がった。

 勝てなかったここ数年もショットメーカーぶりは健在で、パーオン率は常にトップ10以内。「女子の中では屈指の力強い弾道」は若手も一目置く。ところがパットが入らない。パーオンの確率が高いだけに、チャンスにパットが決まらないと、フラストレーションは溜まる一方だ。

「カリーはパットが下手なわけではありません。ショットが良いだけに、どうしてもパットが入っていない印象が強い。でも本人はチャンスに決められないことにイラついて、スムーズなストロークをすることより、入れに行く気持ちが強過ぎた。結果を求める余り、苦しむことになったのです」とコーチのトリッグス。

 そこでこのオフはパッティングの際のプレショットルーティンを見直し、入れようとして余計な力が入っていたパッティングスタイルの改善に重点を置く練習に取り組んだ。その結果平均パット数も現在ランク3位まで上がっている。

 長年のライバル、アニカはマタニティドラスを着始めたが、34歳のウェブはまだまだ現役で戦い続けるつもりだ。

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