ゴルフ場買収の新勢力だった新興の不動産会社各社が相次いで破綻した昨年。2大外資が相変わらず不動の地位を維持し続ける、買収戦線の最近の動向のなかで、各社の保有数ランキングを追った。
トップの座を守ったアコーディア・ゴルフの保有数は4月10日現在で123コース。成田GCなどGS系ファンド保有の3コースはこの中に含めていない。
大量取得時代が終了した後も毎年順調に保有数を伸ばしてきたが、この1年は逆に2コース減の123コース。6コースの取得がありながら、8コースの売却があったからだ。
外資系ファンドはどうせ買ってもすぐに売る――。そう言われ続けながら一度も売ったことがなかったアコーディアが、2012年までに概ね10コースの売却を表明したのは昨年夏。
黒字コースでも収益力が低いがゆえの、「ポートフォリオの入れ替え」(アコーディア)が売却の理由だった。この1年で目標数の大半の売却が済んだ。
ライバルのPGMは1コース差の122コースで2位。こちらは売却をしていないので1年間で11コースの増加。
ただ、昇仙峡CCは親会社のローンスターグループ系のファンドが取得し、PGMは運営受託の形だ。
詳細は語らないものの「諸般の事情があってローンスターが取得する形をとった。今後すべてがこの形になるというわけではなく、取得はケースバイケースで対応していきたい」(PGM)といい、必ずしも保有にはこだわらないスタンス。
国内勢トップの座が定着したオリックスは38コース。かねてから当面の取得上限を「おおむね40コース」としてきただけに、目標はもう目前だが、「良い物件があったら買うというスタンスで40コースまで買う方針に変わりはないが、その先のことはまだ未定」(オリックスゴルフマネジメント)という。
西武グループは昨年5月に3コースを売却、今年は苗場プリンスの営業を休止する。昨シーズンから休止している函館2カ所と合わせて、合計3カ所が保有のまま休止になるので表から3コースは除外してある。
「当面はこれ以上の休止、売却、取得の予定はない」(西武ホールディングス)という。
5位の市川造園土木グループは、市川造園土木本体は97年以降11コース体制を維持しているが、市川金治郎氏個人や関連のプライベート企業が毎年着実に増やし今年も1コース増。
昨年はゴルフ場買収の新興勢力だったゼクス(5コース)、レイコフ、スルガコーポレーション(各2コース)、アーバンコーポレイション(10コース)、パシフィックホールディングス(12コース)が相次いでゴルフ場ビジネスから撤退した。
だが、売却先が分散していた上、保有ランキング上位へのまとまった売却がなかったため、結果的には新興勢力の撤退は10コース以下の保有勢力図を塗り替える形になった。
これから先、所有者がどう移り変わり、勢力図がどう塗り替えられていくのだろうか。
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