SLEルールもそんなに悪いものではなかったとほくそ笑んでいるのは、ある意味、用品担当者かもしれない。飛びを売り物にしたシューズやグローブがヒットを続けるなか、新たな飛びグッズにも火がつく気配だ。
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サポート機能を加えた『アーチパワー5本指タイプ』(右)、バイオロックプラスの機能を応用した『パワーアークプラス』
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プラス3ヤードの飛びを謳うミズノのグローブ『バイオロックプラス』は発売以来3年間で累計75万枚を売り上げる大ヒットを記録。
このほか、3代目となるブリヂストンの『飛びスパイク』や『飛びグローブ』など、飛びをキーワードとするグローブやシューズはどのメーカーの製品も好調だ。その要因がSLEルールにあることは間違いあるまい。
旗振りをしてきた当のメーカーは、SLEルール以降、より遠くへ飛ばしたいという欲求に応えるため、クラブ以外での飛距離アップに移行せざるをえなかったからだ。
また、飛びという言葉にゴルファーが飛びつきやすいというのも事実。
「飛びはゴルファーにとって夢です。『リフトティ』や『スパークティ』などが、価格が高くても普通のティよりも売れているように、どんなジャンルの商品でも飛距離アップというキーワードがあれば売れるし、メーカーさんにはそういう商品を作って欲しいとお願いしています」(二木ゴルフ商品部・北條圭一部長)という声に一ゴルファーとしてはうなずかないわけにはいかない。
そんななか、次のヒット商品となりそうなのが“飛ぶソックス”だ。現在ゴルフ用として発売されている機能性ソックスには、飛びというキーワードこそ前面に出していないものの、土踏まずや足首のサポート、シューズ内での滑り止め加工など、いかにも飛ばせそうな機能を搭載しているものが多い。
この手の『3Dソックス』『アーチパワー5本指タイプ』などをハイパーソックスシリーズとして売り出しているブリヂストンスポーツでは、「足元を固めることで、靴の中での滑りがなくなり、踏ん張りが効くようになるのは確か。
スウィングを安定させることが飛びにつながるといっていいでしょう」(ブリヂストンスポーツ広報室長・嶋崎平人氏)と効果をアピールする。
価格的に1足2000円~3000円前後もする機能性ソックスも認知されつつある。
「一度履いてみれば機能性に十分見合った価格だということが実感していただけます。『アーチハンモック』を履いてから他のソックスが履けなくなったという人も増えています」(ミズノ広報宣伝課・西田維作氏)
ちなみに、機能性ソックスの中でもとくに最近注目を集めているのが5本指ソックスだ。スケート競技など足裏感覚を大事にする競技では常識となっているが、正確な体重移動が必要となるゴルフのスウィングにおいてもメリットはかなりありそう。
ということで、ブリヂストンスポーツ、ミズノ、キャロウェイ、キャスコなどのゴルフメーカーや、デサントやアダバットなどのスポーツアパレルなど各社からゴルフ用の5本指ソックスが発売されている。
数千円の投資で数ヤードでも飛距離が得られるなら安いもの!? 試してみる価値はあるかもしれない。
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