> 雑誌・出版情報 > BACK 9 WEB
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/5号
2009/4/23更新
横峯さくら、スタジオアリス優勝の
原動力「飛ばし」の秘密を分析した

 4月12日に終了した国内女子ツアー戦、スタジオアリス女子オープンはプレーオフで横峯さくらがジョン・ミジョンを下して今季初優勝、通算10勝目を挙げた。その勝因に挙げられるのが、他を圧倒する飛距離だ。それを武器に硬く難しいグリーンを、ショートアイアンで確実にとらえるプレーが目立った。確実性も増した、今季のさくらの“飛び”に迫った。


他を圧する飛距離で早々と1勝! 今季の注目株ナンバーワンの横峯

 勝負が決まったプレーオフ2ホール目の18番ホール(405ヤード、パー4)。ジョン・ミジョンが残り167ヤードを6番Iだったのに対し、横峯は同166ヤードを8番Iで狙った。結果、ミジョンのボールはグリーンに止まらず奥のラフへ。横峯は手前から見事グリーンに乗せた。アイアン2番手の差は、やはり大きかった。

 同じ最終日の15番ホール(166ヤード、パー3)では、宮里藍が5番I、ミジョンが6番Iを手にしたのに対し、横峯は7番I。また、2日目の18番、横峯が残り150ヤードを9番Iで狙い、テレビ解説の牧野裕プロが何度も番手を確認するというシーンがあった。

「彼女のスウィングは、体の左右の重心移動はほとんど見られませんが、高い位置エネルギーを使って、“でんでん太鼓”のイメージで、ヘッドを加速させています。それとインパクトの瞬間の手首の強さが際立っています。インパクトの瞬間、彼女の右手には前へ押し込みながらフォローを取る動きが見られます」

……と横峯の飛距離の理由を分析するのは、小社の新書『小娘たちに飛距離で負けないための授業』の著者で物理学者の八木一正教授だ。

 また、江連忠プロはかねてより横峯の高い集中力を評価しているが、スウィングに関しても「世界クラス!」とダウンスウィングの素晴らしさを指摘する。

「ダウンスウィングが安定して、いいリズムで、いいポジションをとりながら下りてくるので、思い切り振り抜くことができている。それが飛距離につながっているのでしょう」と語る。

 一方、スタジオアリスで決勝ラウンドの2日間、横峯の組に付き、テレビ中継でレポートした山崎千佳代プロは「飛距離はいつものことで驚きませんでしたが、精神面の成長には感心しました。テレビ中継前のホールで、バーディチャンスをいくつも逃したにも関わらず、最後まで集中力が途切れませんでしたから。それとショットのバリエーションが増えました。(米ツアーのメジャー)ナビスコで学んできたのでしょう」と、飛距離とは別の側面を指摘する。

 横峯を最も身近で見ている父・良郎氏も、さくらのパワフルな充実ぶりの理由に、「精神的に落ち着いていること」に加え、「食事」を挙げる。

 横峯の食事は玄米・野菜食が中心で、試合のある週は肉類はもちろん、酸化する“脂もの”を一切摂らないようにしているという。その成果だろうか、「連戦にも疲れを見せず、今回も日を追うごとに飛距離が延びていた」と語る。

 また、スウィング的には「トップの切り返しをやや早くし、フェードからストレートに近くなった分、飛距離が伸びた」とも。

 その点を用具契約のSRIスポーツの担当は、「同じフェードでもバックスピンを抑え、ランが出る打ち方を覚えたようです」という。この充実ぶりからして、今季の主役になることは確実だろう。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト

ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です