不況による来場者減に対応するため、各ゴルフ場ではさまざまな対策を講じているが、それはパブリックコースも同様。そんななか、トーナメント開催の人気コースの最終18番をそっくり“コピー”するゴルフ場や、通称ベッカムカプセル導入でゴルフのあとの疲労軽減を図るゴルフ場が登場。話題の集客アイデアに迫った。
|
東京よみうり名物18番(写真)、この風景がそっくり再現される
|
千葉よみうりCC(千葉県)では、コース内に東京よみうりCC(東京都)の最終18番ホールを再現すべく、現在、工事を進めている。東京よみうりCCといえば、ツアーの最終戦・日本シリーズJTカップの開催コース。特に18番ホールは池越えの227ヤード(トーナメントティ)の距離があるパー3で、幾多のドラマが演じられてきた名物ホールだ。
「昨年、来場者を対象にアンケートを行ったところ、当クラブと東京よみうりが系列コースであることをご存じではない方が多いことがわかりました。そこで、当クラブの特徴を作ろうと、認知度の高い東京よみうりの18番ホールを再現することにしたのです」(林一郎支配人)
工事は現在の9番パー5を2つに分け、新17番ホールと新18番ホールを造成。現2番パー3ホールは廃止して、アウトとインを変更するという。新18番ホールの使用は来年10月からの予定だ。
「やるからには中途半端なことはせず、名匠井上誠一設計のグリーンの傾斜や形状、池の大きさなど全てをそのままに再現します」(林支配人)というから、完成が今から楽しみだ。
さらに、紫CCあやめコース(千葉県)では、若年層ゴルファーを対象にした割引サービス薄暮プレーを行っている(~9月23日)。年齢別サービスというと、シニアやジュニア料金というのがあるが、“ヤング層”というのは異色。
午後3時15分以降のスタートで日没までのプレーで、通常、平日5000円、土・日祝日は6000円だが、全日29歳以下3000円、18歳以下2000円となり、しかも3回プレーすれば4回目は1000円になるという。
一般プレーでは、4月の日曜日限定で「ヤングゴルファー・グローイングアップホリデー」として20歳代、30歳代の割引も実施している。ただ、こちらは好評なものの5月以降の実施は今検討中とか。
ちなみに、パブリックではないが、夜須高原CC(福岡県)でも、39歳以下を対象とした「アンダー39」プランを導入、平日8930円、土・祝日1万980円の料金を設定している。
さらに、サッカーのベッカムが使ったことで有名になった高気圧酸素カプセルをクラブハウス内に設置したのがグランシエロGC(三重県)。
高気圧酸素カプセルは体内の酸素水準を取り戻し、血流を良くするとともに細胞を活性化させるもの。他のゴルフ場にはないサービスの一環として2台設置したということだが、これが好評でリピーターも増えているという。
集客対策はパブリックもメンバーシップも同じ。そういうなかでの今回の差別化を狙ったユニークサービス、ゴルファーにどうアピールするか気になるところだ。
|