昨年秋のリーマンショック以降、景気とともに一挙に冷え込んだ新卒の就職戦線。入社式を目前に控えて内定を取り消す企業も続出したが、ゴルフ関連の企業入社組の採用状況はどうだったのか、加えて今後の見通しを追った。
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ヨネックスは工場勤務まで含めて55人を採用。これも遼くん効果?
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09年4月入社組から大卒の新卒定期採用を開始した2大外資ゴルフ場経営会社の一つ、PGGIHの初年度実績は41人。今が就職活動佳境の10年4月入社組の採用計画もほぼ前年並みを維持する。ただし、「就職希望者は前年比5割増」という人気ぶり。
2大外資のもう一方の大卒新卒採用4年目になったアコーディアゴルフは23人。13→22→24→23人という推移なのでほぼ安定している。来期計画は最低10人で、「いい人材が集まれば例年並みまで増やす。エントリー数は前年比倍増しており、女性の応募も増加傾向にある」とゴルフ場経営2大外資の人気は高いようだ。
同じくゴルフ場経営会社のリゾートソリューションは09年4月実績で11人。来期計画は「まだ未定」。リゾートホテルや保養所の運営も手がけているので、ゴルフ場業務限定の採用ではない。
太平洋クラブは本社採用が09年4月実績で4人。来期計画は「未定」。本社採用のほかにコースごとに現地採用(今季は13人)がある。
ショップでは、ゼビオの09年4月実績は37人。来期もほぼ同数の計画だが、ゴルフ用品売り場は経験を要するので、「新人は基本的に配属されない」。傘下各社の採用は別で、ゴルフパートナーの09年4月実績10人に対し、来期は15人と、こちらは増加を計画している。
二木ゴルフの09年4月実績は15人。コンスタントに15人前後を採用しており、来年もほぼ同数を維持する計画だ。
ゴルフ会員権業界で唯一新卒採用を実施したのが桜ゴルフ。「ここ数年中止していたが、09年4月は4人採用した。来期の人数はまだ決めていない」。
メーカーに目を向けてみると、分社化から6年目のSRIスポーツの09年4月実績は7人。内訳は開発に携わる技術系学部出身者が4人で、文系学部出身者が3人。“少数精鋭”を標榜しているだけに、この人数でも例年並み。10年4月入社組もほぼ例年なみの計画だ。
ブリヂストンスポーツも今季採用人数は10人でここ数年ほとんど変わっていないが、「来年は未定」。
SRIの7倍以上の約2100人の従業員を抱えるミズノは、09年4月実績の59人に対し、来期は「市況を勘案し」ほぼ半減させる。
石川遼の用品契約で話題のヨネックスの09年4月実績は工場勤務の高卒者も合わせて55人。来期は「まだ未定」。
海外メーカーの日本現地法人であるナイキジャパン、キャロウェイ、テーラーメイドゴルフはいずれも、欠員があると中途採用で補充しており、新卒の定期採用は基本的に行っていない。
今の大学生は3年の秋から冬に就職活動が始まり、早ければ4年生になる前から内定が出始めるというのが、ここ数年の傾向だった。だが、今年は「学生の出足は早めだったが、逆に企業側の採用予定人数は全般的に厳しく、内定も昨年に比べるとかなり遅れ気味」(就職対策書籍の出版編集部)だという。
今のところ、ゴルフ関連の企業が、新卒の採用人数を大幅に縮小する動きがはっきり出ていると言うことはない。
最悪の就職氷河期と言われた1995年入社組や02年入社組を上回る厳しさになるとも言われる2010年4月入社組の就職戦線。さてどうなるか、注目したい。
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