隣りの人はどんなクラブを使っている? 各社の09年モデルが出揃ったところで、今、どんなクラブやボールが売れているのか、売れ筋商品のランキングをチェックしてみた。ここにも“価格破壊”の影響か、意外なクラブが1位になった。
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今回売り上げそれぞれ1位のバーナー、ザ・ゼクシオ、イッツィービッツィ・スパイダー(左から)
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データの採取期間は08年12月29日から09年4月12日までの105日間。全国のゴルフショップ1000店以上のPOSデータをベースに集計したアイテム別売れ筋ランキングだ(gfkマーケティングジャパン調べ)。
ドライバー部門で1位、2位を占めたのはテーラーメイドの『バーナー』『ツアーバーナー』の姉妹モデルだ。
両方を合わせると3位以下に大差をつけることになるが、その要因の一つは、「『バーナー』は07年に出したブランドですが、その間、男女ツアーで大勢のプロに使用していただくなど、ブランドとして認知されたからでは」(テーラーメイドゴルフ・喜田慎氏)
ただし、1位の『バーナー』の内訳をみると、上位すべては07年モデル、ロフト10.5度のSRがトップだった。一部の量販店ではバーナー1本実勢2万円弱で販売されるなど、手の出しやすい価格なのも確か。
09年モデルの発売に合わせて、昨年末に07年モデルが大幅にマークダウン(価格引下げ)されたことが大きいが、いくら安かろうが飛ばないクラブにわざわざ買い替える理由がユーザーにはない。
完成度がそれなりに高く、最新モデルと比較して飛びに遜色がないと評価されているのも発売されて3年目に入ったモデルがいまだに売れ続ける理由だ。
また、09年モデルに関しては、「さすがに勢いは弱くなっています」(喜田氏)というものの同社では3月中旬に発売した『R9』が、表には出ていないが4月6~12日の直近の週間ランキングで1位となり、さらに1カ月後の4月中旬に日本専用モデルの『R9MAX』を投入。
「ツアーの開幕に発売のタイミングを合わせた結果ですが、『バーナー』の勢いをうまくつなげることができました」(喜田氏)
モデル別に万遍なく上位にランクインしている『ザ・ゼクシオ』と『ツアーステージV-iQ』も2年目のモデルだ。
「『ツアーステージV-iQ』は元々打ちやすいという評価をいただいていました。今まで興味を持っていたクラブが、マークダウンによって買いやすくなったことが大きいと思います」(ブリヂストンスポーツ・嶋崎平人氏)
マークダウンしていないザ・ゼクシオは別として、消費者心理として、欲しかったけど手がでなかったクラブが値下げされ、買いやすくなったのが売り上げに結びついているのだろう。そういう意味では実売データは“マークダウン”がポイントなのかもしれない。
女性向けモデルの『ツアーステージV-iQ CL』は、アイアンで男性モデルを上回る2位。フェアウェイウッド(3位)、ユーティリティ(3位)、ドライバー(6位)でも上位にランクインしている。
「女性は男性よりも価格に敏感ですから、価格の下がる時期を待っている方が多いのかもしれません」(嶋崎氏)
パターは、昨年テーラーメイドの『スパイダー』がヒットしたが、今年はその小型版の『イッツィービッツィスパイダー』が売れている。ブランド別シェアでは圧倒的な強さを誇るオデッセイの強みは、フェースインサートやヘッド形状などバリエーションの多さにもあるが、テーラーメイドでもこの動きは同じ。今後も上位2社の熾烈なシェア争いが展開されそうだ。
また、ボールの売れ筋上位は、これまで定位置だった『ニューイング』に変わって、やはり1打約4000円にマークダウンされた07年バージョン『プロV1』と『プロV1X』が占めた。
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