景気後退の影響はいつから出始めるのか――。08年2月は全国的に記録的な悪天候に見舞われたので、前年比大幅増があたりまえ。このため、3月の動向は今後の動向を占う鏡だ。結果はどうだったのか。
まずは全国にコースを持つゴルフ場経営会社の2大外資。アコーディア・ゴルフ、PGGIHともにコース数の増減があるので、18H換算1コースあたりの増減で検証してみよう。
アコーディアの今年1~3月累計は前年比4.5パーセント増。月別では1月は0.1パーセント減、2月は19.9パーセント増で3月は0.9パーセント減。1月は横這い、2月は大幅増、3月は横這いとなった。
景気の影響については、「全体的には3月、4月ではまだ現れていないが、九州、中国地方のコースでは集客が減少している」(アコーディア広報)。
PGGIHは1~3月累計は前年比3.4パーセント増。月別では1月が2.9パーセント減、2月は17.5パーセント増。3月は0.3パーセント減で、こちらも同傾向を示した。
それでは地方別の動向はどうか。関東圏内の栃木県は、1月が1.4パーセント減、2月が40パーセント増。3月は0.1パーセント減と横這いキープ。
だが、東京都は1月は1.2パーセント減、2月は16.5パーセント増で3月は6.7パーセント減。東京五日市CCの9Hが改装でクローズになった影響もあるが、「コンペ数も減っており、予約が入るペースも遅くなっている。3月は景気悪化の影響が出始めた」(都下のゴルフ場)という。
中部も3月は4パーセント程度の減少。2月も1割増程度と関東圏に比べるとアップ率が低い。関西圏も6県平均で3月は4パーセント減だ。
中国はさらに厳しい。2月は28パーセント増だったが、1月が10.5パーセント減、3月も3.2パーセント減。九州は1月が悪天候の影響で13.9パーセント減。2月も0.3パーセント減と悪く3月も1.4パーセント減。
毎年北海道内の先陣を切って3月中旬に営業を始める苫小牧地区のコースも状況は厳しい。
「2月の降雪量が多かったため、営業開始当初数日間は9Hを2ラウンドで回ってもらわざるを得なかった。4月もここまで2割減ペース」(苫小牧地区のゴルフ場)だという。
ただ、「昔と違い、今は必ずしも集客数増が収益には結びつかなくなっている」(奈良県内のゴルフ場)という声も。
「今のゴルファーは、朝のコーヒーも飲まない、昼はチャーハンかカレーで十分、ミネラルウォーターも持参といった具合。料金引き下げも限界まできている。敷居の高いコースはおいそれと値下げもできないので一番苦しいのでは」(前出・都下のゴルフ場)という。
この状況、ゴルフ側にとっては厳しいが、ゴルファーにとってはある意味チャンスと言える。コース側の危機意識は一様に極めて高い。値下げも限界近いので料金は今が底だ。
値下げぬきで集客できるよう、イベントや新サービスが続々と打ち出されており、練習場に行くと、各コースのイベントのポスターが目白押しだ。うまくすれば憧れのコースを、ちょっと安く利用できる可能性もある。
各コースのイベントやサービスをじっくり研究してプレー回数が増えれば、ひいてはゴルフ場にもメリットになると思われるのだが、ゴルフシーズンからに期待したい。
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