練習場やゴルフ場に女性の姿を見かけることが増えてきた。そこで、キーワードは女性ゴルファーとばかりに、女性を意識したサービス、プランがゴルフ場で人気になっている。女性向けに施設の改修を行ったゴルフ場や新機軸のサービスに迫った。
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女性客を意識してクラブハウスをリニューアルした総武CC印旛コース
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兵庫県の三田GCでは、「当クラブは昭和5年の開場でクラブハウスが老朽化し、女性施設も充実していませんでした。そこで、女性用施設を中心にクラブハウスのリニューアルを行うと同時に、4月から2年間有効の女性会員を募集することにしました」(奥野健司支配人)
入会登録料には10万円が必要だが、これは2年後には全額返金される、いわば全額預託金。年会費は6万3000円で、入会すれば正会員と同額のプレーフィでプレーできるほか、ハンディキャップも取得できる。
「特に宣伝らしい宣伝はしていないのですが、それでもたくさんの問い合わせをいただき、すでに10数名の入会がありました」(奥野支配人)
2009年レッスン・オブ・ザ・イヤーに輝いた青山薫プロが所属するアイランドゴルフリゾート那須(栃木県)でも、女性客を意識したさまざまな取り組みを行っている。
青山プロは、いう。「ウチでは来場者の約3割が女性。女性客が増えれば、男性客も増えるし、今や女性客を意識しなければダメだね」
来場者の3割が女性客というのは女性の数としては日本最大級。そのためか、同コースでは、コンパートメントタイプのパウダールームを設置したり、ウェアの最新ブランドを中心とした厳選アイテムを揃えたショップを完備するなどしてさらなるアピールをしている。
このほか、女性プレーヤー限定のハートティを設定、「バーディが獲れる楽しさを教えてあげたい」(青山プロ)というのが狙いだ。
さらに、PGMグループの総武CC印旛コース(千葉県)でも、クラブハウスの改修工事に際し、女性ゴルファーの利用増を踏まえ、女性用施設の拡張・充実をメインにリニューアルを行った。
「これまで女性用施設はあるにはありましたが、あまりに内容がお粗末でした。そこでロッカーを35台から60台に増やしたり、浴室を15平方メートルから36平方メートルにするなどアメニティを高め、女性の皆さんにも喜んでいただけるものにしました」(PGM広報・トンプソン智子氏)
これ以外にも、最近クラブハウスのリニューアルを行ったゴルフ場では泉国際GC(宮城県)、久邇CC(埼玉県)など女性用施設を充実させるところが多く、ブームを裏付けている。
さらに、こうした女性ゴルファーのすそ野の広がりを受けて、関東ゴルフ連盟でも同連盟の主管のもと、今年から各都県単位の女子のクラブ対抗競技を新規開催しようという動きが出てきている。
「来年、開催予定としています。今年は6月15日、都県単位でテスト的に埼玉、山梨、新潟で開催します。関東ゴルフ連盟で行うとなると、その影響はかなり大きいのではないでしょうか」(関東ゴルフ連盟・加藤重正事務局長)
クラブ対抗は女性メンバーのための競技だが、いまや流れが女性のほうにきているのは確か。女性ゴルファーを意識して底辺拡充する動き、どう展開を見せるか、注目したい。
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