今年のマスターズはさまざまなドラマを生み、プレーオフの末、A・カブレラが初優勝を飾った。そんななか、8度目の挑戦となった今回、大活躍を見せたのが片山晋呉だった。その大活躍に喜んだのは片山が契約するメーカー。問い合わせ殺到の嬉しい声を聞いた。
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晋呉効果で契約メーカーは大喜びだった
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初参戦となった石川遼に大きな注目が集まり、ややもするとその陰に隠れがちだった片山だったが、トップからわずか2打差の4位と日本人最高の好成績を挙げた。
今シーズンの片山といえば、シーズンオフから話題になっていたのが5年ぶりにクラブ契約を変更し、これまでのナイキからダイワ精工のオノフを使用することになったことだろう。
オノフは、どちらかといえばアマチュア向けのクラブで、現在、男子プロとは誰とも契約していない。それだけにナイキのイメージの強かった片山がオノフを選んだ時には、驚いた業界関係者も少なくなかったが、今回の活躍で、ダイワ精工には一般ゴルファーからの問い合わせが数多く寄せられた。
「マスターズ終了後の月曜日、火曜日には使用クラブに関する問い合わせがかなりありました。ショップでもオノフのドライバーが一気に売れて、在庫がなくなったところもあるようです」(ダイワ精工ゴルフ営業部・大澤氏)
ちなみに、片山がマスターズで使用したのはドライバーとフェアウェイウッド、それに3本のウェッジで、アイアンは使わなかった。というのも、
「練習ラウンドではアイアンも試してみたのですが、思ったよりも距離が出すぎてしまい、本番では使うのがちょっと怖いということになりました。フェアウェイウッドも5番で270ヤードをオーバーしてしまったほどなので、決勝ラウンドでは使用しませんでした」。
片山は今後、国内のツアーに参戦するが、アイアンに関しては調整を進めた上で使っていくという。
さらに、今回の片山の活躍でウェアの契約メーカー、ウィッツにも大きな反響があった。
「大会終了直後からホームページのアクセスが増え始め、ピークの火曜日(14日)には一時サーバーがパンクしてしまったほど。百貨店などにも取り扱いの有無を尋ねる問い合わせの電話がかなり入ったそうですが、そのほとんどがダンスウィズドラゴンというブランドを知らなかった方のようで、当社としては大きな手応えを感じています」(事業部長・西田氏)
同社には、これまで取引をしていなかった百貨店から展示会に参加したいという問い合わせもいくつか入ってきているそうで、これはシューズの契約メーカー、アシックスでも同様。
「一般のユーザーの方からお客様相談室への問い合わせを相当数いただきましたし、ショップからも扱わせてほしいという連絡をいくつもいただいています」(広報部・土谷氏)
まさに、不況を吹き飛ばすような“晋呉効果”といえそうだ。
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