今年も米女子ツアーは、ロレーナ・オチョアを中心に回りそうだ。先の、地元メキシコで行われたコロナ選手権でオチョアが今季2勝目を飾り、4月までの序盤戦を終了した時点で、62万5203ドルを稼ぎ、シン・ジエを抜いて賞金ランキングのトップに躍り出た。
|
2勝目を挙げたオチョア。女王狙いは磐石か?
|
ただ、今季は試合数が減り、コロナ選手権まで、メジャーのクラフト・ナビスコ(4月5日終了)から3週間、試合がなかったことも影響しているが、オチョアは、昨年は3月末から4月にかけて4連勝を含めて、序盤戦で5勝したのに対し、今季は若干ペースが落ちている。
平均ストローク数こそ、昨年1年間の平均69.7より今季は69.57とわずかに良いが、今季のフェアウエイキープ率(60.7パーセント)やパーオン率(67.4パーセント)は昨年よりそれぞれ、約6ポイントと約4ポイントも落としているうえ、平均パット数も1.82(昨年は1.78)と悪くなっているのだ。
12月に結婚が予定され、あるいは今季限りの引退も噂されるオチョア。来季は、引退がなくとも、「家庭を大事にしたい」(オチョア)ということで試合参戦数が大幅に減ることが予想される。
このため来季の賞金女王の座はオチョアの手から滑り落ちるのではと大方の予想がされているが、もしかしたら今年の後半戦にかけて、女王交代の前兆が現れるかもしれない。
しかし、誰がアニカ・ソレンスタム、オチョアに続く、ツアーをリードするプレーヤーになるのかというと、混迷状態で、まだわからない。
今のところもっとも可能性があるという点では、4月28日に21歳になったシン・ジエがあげられるだろう。
2月のHSBC女子選手権に優勝し、Jゴルフフェニックスでも2位となったシン・ジエは、「今年の目標は、新人王になること、それに昨年勝ったタイトルを守ること」と語っている。
昨年、LPGAのノンメンバーとして3勝を挙げているシンだけに、計画どおりタイトルを守れればHSBCも含めて今季4勝。となれば、賞金女王の座も夢ではない。女王の座を手に入れれば、オチョアに代わるLPGAの顔になることは間違いがない。
ただ、アメリカでの期待度という点では、シン・ジエよりもミッシェル・ウィの方が高いといえるかもしれない。
しかし、ウィは2月のSBSオープンで2位になったものの、今季優勝争いに加わったのはこの試合だけ。3年前には280ヤードのドライバーの飛距離を誇っていた彼女も、今季の平均飛距離は261.5ヤードとかつての面影はない。
むしろ、期待をするなら、日本の宮里藍のほうが面白いかも。コロナ選手権では13位となり、SBSオープンで5位タイ、フェニックスで9位タイと上位に食い込んでくることが増えた。
ようやく米ツアーにも慣れてきた感じで、現在賞金ランキングは24位(4月27日現在)。ポストオチョア? をめぐって、これからさらに女子ツアーは面白くなりそうだ。
|