ロストボールというと、ひと頃はビギナー専用でブランドも何も関係なく売られていたが、今や、ロストボールといえどもブランド別に選別されて販売されるのが主流に。いまどきのロストボール事情に迫った。
クラブと違ってボールは消耗品。OB、池ポチャでボールをなくすのはビギナーならずともゴルファーなら仕方のないところ。
が、そんなボール代もばかにならない。いきおいロストボールを使おうという人も増えてくる。が、いまやこのロストボールに“変化”が起きている。
有賀園ゴルフ新横浜店の熊谷高店長は、「色々なメーカー、ブランドが混在した一袋いくらというロストボールは、今ではほとんど売れません。お客さまは、ゼクシオやプロV1、スーパーニューイングといったブランドごとに6個、あるいは10個パックにしたロストボールを購入していきますね」
また、クラブテスターで、神戸の練習場内に直営のショップを持つ吉村忠義氏も、
「ロストボールといえどもブランドにこだわるのが今どきのゴルファーです。ブランドを全く知らない初心者でも、シューズやウェアで馴染みのあるナイキを買っていきますから」
また、こんな声も。「新品の舶来無名ボールより国産のブランドロストボールのほうが、よく売れるんです」(兵庫県でショップ展開するゴルフギアサージ・朝日貴信氏)。
聞いたこともない新品ボールより性能がはっきりわかるブランドボールのほうがいいということなのだろう。
この動きはネットオークションの世界でも同様。今、ネットオークションで、数あるゴルフ関連のネットショップのなかで大人気なのが「ゴルフのロストボール屋さん」だ。
運営するインパクトは、07年からロストボール販売を開始。今では毎週数千個を売るという。
販売は1個からでもOKだが、人気があるのは同一ブランドの30個セットや50個セット。例えば、ゼクシオXDプレミアム(メーカー希望小売価格1個735円)は税込で268円(送料別)、30個セット8400円(送料込)。かなりお得な価格になっている。
「毎週仕入れますが、ネットに載せたとたん5分で完売することもあります。品質と価格、それに注文を受けてからお届けするまでの時間の速さ。これがうけているのだと思います」(運営責任者・天野克彦氏)
一方、いわゆるロストボールよりも、さらにニューボールに近い“リフィニッシュドボール”(再生ボール)を扱っているのが横濱ゴルフだ。
リフィニッシュドボールとは、通常のロストボールの表面を再コーティング、ロゴを再プリントしたもの。ニューボールのように3個ずつ箱に入っており、「リフィニッシュドボール」の名がプリントされている。
同社が扱っているタイトリストなどのボールのなかで一番人気は、プロツアーでも使用率の高いタイトリストプロV1、V1X。価格は1ダース2920円(税込)。
同社の高瀬伸一氏によると、「当社のリフィニッシュドボールはアメリカの専門業者がコーティングしたもの。極めて薄くコーティングしているので、ボール本来の性能を損なわない」ということだ。
同社では昨年7月からネット販売を開始しているが、月間1200ダースを完売しているという。十羽ひとからげのロストボールから選別されたボールへ、ロストボールの世界も確実に様変わりが起きているようだ。
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