今季の女子ツアーで注目の新人、金田久美子がこのところ別のことで注目を集めている。出場8試合でスロープレーに対する1打のペナルティを2度も課せられたからだ。最近起きた、気になる女子プロのマナー問題に迫った。
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金田久美子、調子が上がればスロープレーはなくなるか?
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ファッショナブルなファッション、容姿で知られる金田久美子。ところが、ツアーでは出場8試合で予選通過は1試合。そのうえフジサンケイとワールドレディス(ともに初日)で、スロープレーによるペナルティを課せられ、散々なシーズン序盤を迎えている。
彼女のプレーぶりを観る機会の多いある関係者はスロープレーについて、「不調が原因では。今はスウィングに悩みながらプレーしている状態で、観てて痛々しいくらいですから」と、彼女の精神状態が原因とみる。
その一方、「アマチュア時代からスロープレーの傾向がありました」と語るアマチュア競技関係者もいる。実際、彼女に自分のプレーのペースについて聞いても、「自分では早くしているつもりだけど……」と、自覚をしていない発言もある。
ちなみに、女子ツアーでプレーが遅いと見られているのは彼女ひとりではなく、豪州出身選手に比較的多いと言われる。
先のワールドレディスでも、3日目に追い上げが期待された横峯さくらが、途中、競技委員にプレー時間を計測される立場となり、結果、ペースが乱されスコアを伸ばしきれなかった。同組には、豪州出身のタミー・ダーディンと叶莉英(中国)がいた。
ツアー競技では通常、前の組との間隔が14分以上、あるいはパー4で1ホール分以上開いた場合、競技委員がその組にペースを速めるよう警告し、各選手のプレー所要時間を計測する。
ツアーの規定では、アドレスができる状況になってから打つまで1打の所要秒数は30秒以内と定められ、パー4で4打に要した時間が規定時間の120秒(30秒×4打)より11秒以上要した選手は1打のペナルティが課せられる(他にも1打に60秒以上要した場合なども罰則の対象)。
これまでもアマチュア競技関係者の間では、以前からスロープレーに対する指導の必要性がいわれていた。
「クラブライフとしてのプレー経験が少なくなってきたことも、大きな原因の一つでしょう」と語るのは、日本ゴルフ協会の広報委員会元参与で、ゴルフジャーナリストの福島靖氏。
福島氏によれば、ジュニア時代からコースを回るのは練習目的、つまりスコアを縮めるためのプレーばかりで、クラブメンバーとラウンドすることでマナーを指導された経験のない競技ゴルファーが増えているというのだ。
同様のことを関東ゴルフ連盟の加藤重正事務局長も指摘する。「クラブの指南役的なメンバーの存在感がどんどん薄くなっているんでしょうね。そのため連盟では独自にマナー向上を呼び掛けるポスターを作製し、ゴルファーの自覚を促すようにしています」
もうひとつ、マナー違反といえばワールドレディスで、こんな“事件”もあった。優勝した諸見里しのぶが最終18番の第2打を放った後、1打差で追う福嶋晃子がアドレスに入ったあとも、福嶋の視線の先をグリーンに向かって歩み続け、福嶋に「止まって!」と大声を出させる場面があった。
そのシーンがテレビ中継に映され、翌日は一般紙にも取り上げられることに。諸見里はプレー後にすぐ謝罪をしたが、ツアープロはプレー同様、プレーぶりもアマチュアのお手本にならなければいけないのではないか。
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