ジョン・デーリー(43)が、久々にプレーヤーとして注目を集めた。先の欧州ツアー、BMWイタリアオープンで2位タイに入ったのだ。デーリーが欧、米のツアーでベスト10入りを果たすのは、2005年のWGCアメックス選手権で2位になって以来。お騒がせ男として、数々のスキャンダルをまき散らしているデーリーだが、昨年末に米ツアーから、6カ月の出場停止処分を受けて、少しは反省、練習に励んだ結果なのか?
イタリアオープンでは、デーリーは、優勝したアルゼンチンのダニエル・バンシックに6打差をつけられたものの、69-69-69-66という4日間60台の安定したスコアを維持しての2位タイという成績だった。
「いいプレーができた。特に最後の2日間はバーディチャンスが沢山あり気分が良かった。良い日があれば悪い日もあるといった感じで、これまで4日間安定したプレーができなかっただけにうれしい。とにかく昔のリズムを取り戻そうと、練習している」と語っており、自信を回復しているような気配だ。
昨年、コーチのブッチ・ハーモンと決別したデーリーだが、オフシーズンには、P・ミケルソンのコーチをやっているリック・スミスについて練習したほか、ダイエットにも挑戦。
胃の上部にリングをつけ、食欲を減少させるというラップ‐バンドという手術を受けて、40ポンド、約18キロの減量に成功したとか。見た目では以前のメタボ状態とあまり変わっていないようだが、調子は良いらしい。
以前この欄でも紹介したが、デーリーは、アルコール問題で、米ツアー出場停止処分を受け、現在欧州ツアーに参戦しているが、相変わらずドライバーの平均飛距離は317.04ヤードで欧州ツアーのトップ。
加えてイタリアオープンではフェアウェイを随分とキープできたとかで、ショットが安定。昨年は米ツアーで17試合に参戦、予選通過は5試合だけで、稼いだ賞金は約560万円だったのに対して、昨年末からUBS香港オープンで17位タイ、スペインオープンで31位タイと欧州ツアーに4試合に参戦して、すでに約1700万円強を稼いでいるのだ。
とはいえ、日替わりの超ハデハデのガラ付きスラックスで、話題を集めたり、先のマスターズでは、オーガスタナショナルGCの正面入り口近くの駐車場に大型トレーラーの「お土産店」を開店して、自分のサインボールを売っていたりしている。
良く言えばエンターテイナー、悪く言えば、とにかく注目され続けていないと、ダメなタイプなのかもしれない。
そう考えれば、今回の2位タイという成績で脚光を浴びたことは、デーリーにプレーヤーとしての自覚を促して、プラスに作用する可能性は十分にある。これで練習やプレーに真剣になれば、本当に復活ができるかも?
少なくとも来週の欧州ツアー最大のイベント、BMWPGA選手権までは欧州にとどまる予定というが、デーリーがどんな活躍をするか楽しみだ。
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